2025.8.24 (日)
2025 明治安田J1リーグ 第27節
FC東京 × 京都サンガF.C.
( 味の素スタジアム,19:00 )
match memo
- 夏休み最後のホームゲームとなるJ1リーグ・第27節の一戦は、ナイトゲームにも関わらず気温が30℃を超える厳しい暑さの中での開催。現在暫定15位につける我らがFC東京は、暫定6位の京都サンガF.C.を味スタに迎えてのゲームだ。既に他クラブが全て今節の試合を消化している中、京都は勝てば一気に首位浮上することができるシチュエーション。東京はホームで京都の勢いを止めることはできるか。離脱者が多くなかなかベストメンバーを組めない東京は、前節の湘南ベルマーレ戦と同じスタメン。ベンチには今週にV・ファーレン長崎から獲得したマルコスギリェルメが控える状況だ。
- 試合前のコイントスで選択権を得た京都は、コートチェンジを選択。前回のホームゲームで鹿島アントラーズにコートチェンジされて良い流れを作れなかった東京にとっては嫌な感じだ。キックオフから間もない5分、東京は自陣ボックス内に入ってきたハイボールをバングーナガンデが回収する際、先に落下点に入っていた福田を押し倒す形となってしまい、バルトン主審がPKのジャッジ。これをラファエルエリアスが左隅へ冷静に決めて0-1。いきなり京都が先行する。まずは落ち着きたい東京だが、11分に自陣ボックス内でのゴールキックを岡が横パスした際、エリアスの素早いチェックを受けた金承奎がトラップミス。これをすかさず拾おうとしたエリアスを金承奎が後ろから倒してしまい、再びPK。エリアスが今度は右隅に決めて0-2。あっという間にスコアは2点差だ。その後は東京もやや盛り返し、波状攻撃を仕掛ける場面が見られるが、シュートまで繋げさせてもらえず。34分には俵積田の単独突破から左ポケットまで崩すが、シュートはGKに弾かれてしまう。そして45分、京都はスローインの流れから左サイドより斜めに入ったクロスにDFの鈴木がダイビングヘッドを突き刺して0-3。2点差ならばまだ後半に挽回の余地があると思われた中での追加点。これは痛い。終盤には橋本のやや強めのチャージにイエローカードが出され、主審に異議を唱えた長友にもイエローカードが出るなど選手にも苛立ちが見られ、最悪の形で前半終了。ゴール裏からは大きなブーイングに続き、「意地見せろ」のコールが起きる。
- 後半、とにかく点を取るしかない東京だが、ハーフタイム明けの選手交代は無し。あくまで同じスタイルを貫くつもりか。開始早々にエリアスに決定機を作られるが、金承奎のセーブで切り抜けると、東京が攻勢に。62分には長友の折り返しをゴール正面で長倉が完璧なヘディングで合わせるが、枠を捉えたフィニッシュはGK・太田のスーパーセーブに防がれてしまい、ゴールをこじ開けることができない。東京はベンチスタートだったヒアン、そして新加入のギリェルメを投入。69分には波状攻撃からギリェルメがミドルシュートを狙うが、これも太田によって枠外へ掻き出され、流れを変えるには至らない。81分、東京はGKから組み立てようとしたところを京都の選手たちにパスコースを消され、金承奎が苦し紛れに東へ出した所を狙い撃ちで潰されると、こぼれ球を拾ったエリアスが難なく決めて0-4。エリアスのハットトリックで試合の行方は完全に決し、この瞬間に席を立つ客が目立った。終盤に特別指定選手の小湊を入れてサイドを攻め込む東京は、後半追加タイムに左サイドからのクロスを東が落とし、ヒアンが丁寧なトラップからシュートを決めて1点返したかに見えたが、VARチェックによりこの前のプレーでオフサイドがあったとして得点は取り消し。そしてこの判定を以てタイムアップのホイッスル。アウェイながら圧巻の4得点で快勝した京都が首位に浮上。東京は厳しい敗戦により、リーグ戦3試合連続未勝利となった。
- 相手が絶好調の京都であるのに対し、ベストメンバーを組めない苦しい状況であることを考慮したとしても、全くの論外に値する試合だった。自分たちのやろうとしていることが京都からは完全にお見通しで、それを承知の上で真正面から突撃し、敢えなく返り討ちにされたというのが90分間の端的な全容だ。もちろん攻めることのできていた時間帯もあるにはあったが、京都のプレスが効いている時間帯はほとんど前進することができず。橋本と小泉のボランチは京都のインサイドによって前を向かせてもらえず、最終ラインは横に出すしか選択肢が無くなり、そこを狙ったプレスを更にかけられて「ハマる」。そこで割り切って裏返すなどの選択肢があれば良いのだが、無理に繋ごうとして失点に直結した2失点目と4失点目には呆れるほかなかった。やむなく長倉が自陣まで下がってきてサポートしていたが、これでは攻撃面で怖さが出ないのも必定。試合後のインタビューで京都の曺貴裁監督はまさに東京のバックラインのパス回しを狙っていたことを明かしていたようたが、まんまと術中にかけられた。真正面から当たるにしても、球際の強度が全く足りず、奪われる場面は多かった。途中出場のヒアンやギリェルメ、小湊からは「なんとかしてやろう」という意図は感じられたが、そういった個の頑張りでどうにかなるゲームでもなかったし、そもそもそういう展開なのは前半から分かっていたこと。後半頭から選手を変えなかったベンチワークの動きの遅さも含め、疑問点ばかりが残る試合だった。
- 今節の敗戦によって、東京は順位こそ15位のままではあるものの、J2降格圏との勝ち点差は6ポイントに縮まってきた。次節は東京を2ポイント差で追う16位・名古屋グランパスとアウェイでの直接対決。この試合で不要なイエローカードをたくさん貰ってしまった影響で、橋本・小泉・長友の3人が出場停止という非常に厳しいシチュエーションとなった。水曜日には天皇杯の準々決勝・浦和レッズ戦も控えており、非常に厳しい日程で試合を消化することになるが、まさに正念場といえる。簡単に切り替えるのは難しい状況だが、出場できる選手がベストを尽くして乗り切るしかない。
| FC東京 |
0 |
0 | 前半 | 3 |
4 |
京都サンガF.C. |
| 0 | 後半 | 1 |
|
|
|
| | 得点 | 8' | ラファエル エリアス(PK) |
| | | 13' | ラファエル エリアス(PK) |
| | | 45' | 鈴木 義宜 |
| | | 81' | ラファエル エリアス |
| GK | 81 | 金 承奎 | GK | 26 | 太田 岳志 |
| DF | 5 | 長友 佑都 | DF | 2 | 福田 心之助 |
| 24 | アレクサンダー ショルツ | | 24 | 宮本 優太 |
| 30 | 岡 哲平 | | 50 | 鈴木 義宜 |
| 6 | バングーナガンデ 佳史扶 | | 44 | 佐藤 響 |
| MF | 28 | 野澤 零温 | MF | 10 | 福岡 慎平 |
| 18 | 橋本 拳人 | | 16 | 武田 将平 |
| 37 | 小泉 慶 | | 39 | 平戸 太貴 |
| 33 | 俵積田 晃太 | MF | 14 | 原 大智 |
| FW | 26 | 長倉 幹樹 | | 9 | ラファエル エリアス |
| 39 | 仲川 輝人 | | 18 | 松田 天馬 |
| GK | 13 | 波多野 豪 | GK | 21 | 圍 謙太朗 |
| FP | 10 | 東 慶悟 | FP | 3 | 麻田 将吾 |
| 14 | 山下 敬大 | | 5 | アピアタウィア 久 |
| 19 | マルセロ ヒアン | | 22 | 須貝 英大 |
| 25 | 小湊 絆 | | 27 | 山田 楓喜 |
| 27 | 常盤 亨太 | | 29 | 奥川 雅也 |
| 32 | 土肥 幹太 | | 48 | 中野 瑠馬 |
| 40 | マルコス ギリェルメ | | 88 | グスタボ バヘット |
| 44 | エンリケ トレヴィザン | | 93 | 長沢 駿 |
| | | 得点 | 8' | | ラファエル エリアス(PK) |
| | | 得点 | 13' | | ラファエル エリアス(PK) |
| | | 警告 | 31' | | 佐藤 響 |
| 小泉 慶 | | 31' | 警告 | | | |
| | | 得点 | 45' | | 鈴木 義宜 |
| 橋本 拳人 | | 45+4' | 警告 | | | |
| 長友 佑都 | | | | |
| | | 警告 | 52' | | 松田 天馬 |
| 野澤 零温 | | 63' | 交代 | | | |
| マルコス ギリェルメ | | 63' | | 原 大智 |
| 仲川 輝人 | | | 山田 楓喜 |
| マルセロ ヒアン | | | | |
| | | 交代 | 71' | | 福田 心之助 |
| | | 須貝 英大 |
| | | 武田 将平 |
| | | 中野 瑠馬 |
| 小泉 慶 | | 77' | 交代 | | | |
| 東 慶悟 | | | |
| | | 得点 | 81' | | ラファエル エリアス |
| 橋本 拳人 | | 84' | 交代 | 84' | | 松田 天馬 |
| 常盤 亨太 | | | 長沢 駿 |
| 俵積田 晃太 | | | ラファエル エリアス |
| 小湊 絆 | | | 奥川 雅也 |