2025.8.16 (土)
2025 明治安田J1リーグ 第26節
湘南ベルマーレ × FC東京
( レモンガススタジアム平塚,19:00 )
match memo
- J1リーグ戦は第26節を迎え、全日程のおよそ3分の2を消化する段階。現在15位とJ1残留争いから完全に脱しきれていない我らがFC東京は、今節はアウェイのレモンガススタジアム平塚に乗り込み、17位・湘南ベルマーレとの対戦を迎える。東京と湘南は勝点で5ポイント差があり、J1残留に近づくためには絶対に落とせないシックスポインターだ。東京は前節に負傷交代となった室屋のほか、高や佐藤もメンバー外となり、苦しい台所事情でのメンバー選考が窺える。対する湘南も今夏の移籍マーケットで福田や鈴木(淳)といった主力選手が海外移籍をしており、それに代わる補強はしたものの、やはり苦しい状況である。盆休みの週末開催ということもあり、スタジアムはフルキャパシティに近い12,608人の観客を集めての一戦となった。
- 立ち上がりの5分、東京は右サイド深くから野澤が1人で仕掛けてファウルを貰い、絶好の位置で直接FKを獲得すると、俵積田のキックのこぼれ球をバングーナガンデが拾って再びクロス。すると、エンリケが競り合ってゴール正面にボールがこぼれた所に待っていた長倉が鮮やかなボレーシュートを叩き込んで0-1。東京が幸先よく先制する。その後は湘南のボール保持の時間が多くなり、東京は深追いはせずに「構える」スタンス。奪ったら後方から繋ごうとするが、中盤でエラーが起きて反撃を食らう場面が多くあり、湘南のペースに付き合う時間が多い。たまに俵積田がボール回収からドリブルで持ちあがりゴール前まで迫るものの、チャンスを生かしきれず。両チーム共に守備が踏ん張る展開のまま、0-1で前半を終える。
- 東京はハーフタイム明けから俵積田を下げ、エヴェルトンを投入。後半の立ち上がりは湘南がいきなりアタッキングゾーンまで連続して攻め込む良い入り方を見せ、一方の東京はふわっとした入り方に見える危うい空気だ。しかし49分、バングーナガンデのパスをボックス隅で受けた野澤が相手選手と入れ替わるように反転した際に倒され、高崎主審はPKの判定。これをショルツが左隅に冷静に決めて0-2。後半から左サイドに回った野澤の積極性が作ったチャンスを、ショルツがクラブ加入後初ゴールで生かしてくれた。57分には前線からのプレスで貢献していた仲川を下げてヒアンを投入し、カウンター狙いで撤退戦を図る東京だが、ここから一転して試合は湘南のペース。66分にエリア外から松本がミドルシュートを狙うと、金承奎が弾いたこぼれ球を鈴木(雄)がすかさず押し込んで1-2。突き放したい東京は72分にミドルカウンターからヒアンが単独で相手選手を剥がしてゴール前まで持ち込み、決定的なチャンスを迎えるが、シュートはまさかの枠外。ますます攻勢を強める湘南に対し、効果的なプレスをかけられない東京は、右サイドで攻守に浮いているエヴェルトンのポジションを長倉と入れ替えて対処するが、抜本的な解決には至らず。78分には鈴木(章)の決定的なシュートを金承奎が辛うじてセーブ、84分には途中出場の小野瀬のシュートが僅かに枠の左に外れるなど、際どいピンチを迎える。
- 試合の流れからして1点差を守りきるしかない東京は、86分に野澤を下げて岡を投入し、5バックにシステム変更。何がなんでも撤収を完了させる狙いだ。そして迎えた後半追加タイムの提示は7分。長倉の必死のキープなどで時間を稼ぎながらも湘南の猛攻に耐えるも、AT7分にCKを許すと、小野瀬の蹴った山なりの弾道のボールはゴール正面の鈴木(章)の頭にピタリ。ヘディングシュートがゴール右隅に突き刺さり、土壇場で2-2の同点となった。再開後のプレーもほぼ残されておらず、ほどなくして試合終了。2点のリードを追いつかれた東京にとって、痛恨のドローに終わった。
- 呆然とするしかない結末だ。前半に1点先制したとはいえ安心できない試合展開で、後半もあまり良くない入り方をしたのでどうなるかと思ったが、ショルツのPKで2点差としたことで、ある程度の安心感は生まれたように感じられた。しかし選手交代でブーストをかけてくる湘南に対して、東京は明確な対抗策を打つことができなかった。ヒアンが決定機を決めきれなかったことも問題だし、前線から中盤にかけての守備も、前半の仲川・長倉のコンビからヒアン・エヴェルトンに代わって弱体化した。個人的には、ボールを収めて時間を作ることのできる長倉を2列目に下げた理由が徹頭徹尾理解できなかった。終盤に5バックに切り替えたことは、そのまま逃げ切れていたら采配として「正しかった」ことになるのだろうが、現実としては撤収に失敗しており、俵積田→エヴェルトンの交代に端を発する後半のベンチワークは誤りだったと評価せざるを得ない。森重・室屋・高・佐藤といったコアメンバーが軒並み不在だった影響も少なからずあるのだろうが、後半途中まで2点リードしていたのは事実であり、言い訳にはならない。ここ最近は終盤まで接戦に縺れる試合が多かったので気づかなかったが、撤退戦でやるべきことが全く遂行できなかったことに、素直にショックを受けた。
- ショックの大きなドロー決着だからか、試合後のビジターゴール裏からはブーイングも疎ら。重たい空気が青赤のスタンドを支配していた。しかし次の試合は待ってくれない。来週末はホームに戻って京都サンガF.C.を迎えることになる。本日終了時点で暫定首位に立った京都の勢いを止めるにはまずは守備の整備が必要不可欠だ。離脱者がどこまで戻ってこれるかも気になるところだが、ベンチワークも含めた90分間のマネジメントも含め、しっかりと見直して次節に臨んでもらいたい。
| 湘南ベルマーレ |
2 |
0 | 前半 | 1 |
2 |
FC東京 |
| 2 | 後半 | 1 |
|
|
|
| 鈴木 雄斗 | 66' | 得点 | 6' | 長倉 幹樹 |
| 鈴木 章斗 | 90+7' | | 52' | アレクサンダー ショルツ(PK) |
| GK | 1 | ポープ ウィリアム | GK | 81 | 金 承奎 |
| DF | 4 | 舘 幸希 | DF | 5 | 長友 佑都 |
| 8 | 大野 和成 | | 24 | アレクサンダー ショルツ |
| 66 | 松本 大弥 | | 44 | エンリケ トレヴィザン |
| MF | 37 | 鈴木 雄斗 | | 6 | バングーナガンデ 佳史扶 |
| 15 | 奥野 耕平 | MF | 28 | 野澤 零温 |
| 28 | 太田 修介 | | 18 | 橋本 拳人 |
| 14 | 茨田 陽生 | | 37 | 小泉 慶 |
| 13 | 平岡 大陽 | | 33 | 俵積田 晃太 |
| FW | 10 | 鈴木 章斗 | FW | 26 | 長倉 幹樹 |
| 9 | 小田 裕太郎 | | 39 | 仲川 輝人 |
| GK | 81 | 吉田 舜 | GK | 13 | 波多野 豪 |
| FP | 6 | ゼ ヒカルド | FP | 10 | 東 慶悟 |
| 7 | 小野瀬 康介 | | 14 | 山下 敬大 |
| 20 | 石橋 瀬凪 | | 19 | マルセロ ヒアン |
| 22 | 大岩 一貴 | | 27 | 常盤 亨太 |
| 27 | ルイス フェリッピ | | 30 | 岡 哲平 |
| 50 | 藤井 智也 | | 32 | 土肥 幹太 |
| 72 | 二田 理央 | | 77 | 北原 槙 |
| 77 | 石井 久継 | | 98 | エヴェルトン ガウディーノ |
| 奥野 耕平 | | 4' | 警告 | | | |
| 太田 修介 | | 5' | 警告 | | | |
| | | 得点 | 6' | | 長倉 幹樹 |
| 茨田 陽生 | | HT | 交代 | HT | | 俵積田 晃太 |
| 小野瀬 康介 | | | エヴェルトン ガウディーノ |
| | | 得点 | 52' | | アレクサンダー ショルツ(PK) |
| | | 交代 | 57' | | 仲川 輝人 |
| | | マルセロ ヒアン |
| 大野 和成 | | 61' | 警告 | | | |
| 太田 修介 | | 64' | 交代 | | | |
| 石橋 瀬凪 | | | |
| 鈴木 雄斗 | | 66' | 得点 | | | |
| 平岡 大陽 | | 76' | 交代 | | | |
| 石井 久継 | | | |
| 小田 裕太郎 | | | |
| 二田 理央 | | | |
| | | 警告 | 80' | | 金 承奎 |
| 舘 幸希 | | 85' | 交代 | | | |
| 大岩 一貴 | | | |
| | | 交代 | 87' | | 野澤 零温 |
| | | 岡 哲平 |
| 鈴木 章斗 | | 90+7' | 得点 | | | |
| | | 警告 | FT | | エヴェルトン ガウディーノ |