2025.5.25 (日)
2025 明治安田J1リーグ 第18節
FC東京 × サンフレッチェ広島
( 国立競技場,15:00 )
match memo
- 今月上旬に今季初のリーグ戦2連勝を飾ったのち、前節のアウェイ・浦和レッズ戦は2-3の逆転負けを喫し、順位も17位に後退した我らがFC東京。ミッドウィークに行われたルヴァンカップの試合でも、湘南ベルマーレに0-1と敗れて敗退となっており、公式戦2連敗と再び難しい立場にある。今節はホームにサンフレッチェ広島を迎えての一戦だ。今回は国立競技場での開催となっており、46,206人が来場。また、今日の試合はユニフォームサプライヤーであるNEW BALANCEの冠試合ということもあり、グレーの3rdユニフォームを着用しての試合である(代わりに広島が1stユニフォーム)。東京はルヴァンカップの試合から中3日ということもあり、ヒアンがベンチスタートとなるなどメンバーの入れ替えが発生している。ACL2出場に伴いルヴァンカップの1stラウンドが免除された関係でミッドウィークに試合が無かった強豪の広島相手に、調整面のハンディキャップを覆しての勝利はできるか。
- 前半最初の決定機を作ったのは広島。8分、右サイドでの直接FKが流れた先の左サイドから再びクロスを入れ、ファーサイドに詰めていた荒木が押し込んでゴールネットを揺らす。あっさり広島が先制かと思いきや、VARによるチェックが入り、オフサイドの判定でゴールは取り消しに。命拾いをした東京はその後はボールキープの時間を増やしていく。特に1トップに入った佐藤がボールを収めてくれることで前進の原動力となり、25分には自陣でのボール回収から右サイドに流れてボールを受けた佐藤が1人で強引にドリブル突破。そのままフィニッシュへ持ち込むが、シュートは僅かにゴール左に外れて先制点とはならず。その後も東京がボールを握る時間が続いたが、試合の展開はスローなまま推移し、前半は0-0で折り返し。VARに助けられた場面を除けば、特に危なげなく終えた45分という印象だ。
- しかし後半開始早々に広島が均衡を破る。49分、CKによるリスタートの流れから、ゴール前に攻め残っていた荒木が新井の左サイドからのクロスをヘディングでゴール右隅に決めて0-1。その後も広島がゲームを支配し、59分にはHTから途中出場の中村が波状攻撃の流れから右のハーフスペースに侵入。折り返しは小泉に当たってGKの野澤の前にこぼれるが、クリアを試みたキックが当たり損ないになり、野澤の目の前に詰めていたジャーメインがすかさず押し込んで0-2。手当てをする前に2点を失ってしまった東京は62分にヒアンを投入して流れを変えようとするが、そのヒアンも10分ほどプレーした時点で筋肉系のアクシデント。ヒアンが自らOKサインを出したことで2回目の交代を行った東京だが、結局ヒアンはプレー続行できず、最後のベンチワークを負傷交代に使わざるを得なくなった。
- 既に佐藤をベンチに下げていた東京は前線で競り合いのできる選手がいなくなり、途中出場の仲川と安斎を前線に並べた4-4-2(のような布陣)で対応するものの、おそらく「ぶっつけ本番」と思われるシステムに選手間の連携はほとんど合わず。87分にセットプレーからのハンドで与えた広島のPKは加藤が枠を外したものの、直後の88分に中村のハーフスペース侵入からマイナスに折り返したボールを川辺にミドルで叩き込まれ、これで0-3と万事休す。このまま試合終了となり、東京はリーグ戦のホームゲームで一度も負けたことのなかった改築後の国立競技場で遂に敗戦を喫することとなった。
- 今季ここまでの試合でワーストともいえる、悲惨な内容だった。前半はまだ戦えていた印象だが、後半にあっさりと先制点を許すと、手を打つこともままならぬうちに野澤のミスでリードを広げられ、傷口が広がった。その後交代策を打ったが、62分に高・白井、73分にエンリケ・佐藤と、苦しい展開ながらも悪くないパフォーマンスを見せていた選手を次々にベンチに下げてしまった。ハードワークしていた分、疲労も考慮しての交代なのだろうと推察はするが、代わりに入った選手が試合の流れを変えるようなインパクトを残せたようには見えなかったし、ヒアンの負傷した場面に関連するベンチの動きも拙いものだった(ヒアンの状態を確認するまで2回目の交代は待つべきではなかったか?)。終盤の4-4-2(のような布陣)も、選手を適材適所に配置できない中での窮余の策だったのだろうが、自分には「万策尽きた」という感じの印象しか受けなかった。
- 見るも無惨な瓦解っぷりに試合後のスタンドは不穏な雰囲気に包まれ、バックスタンドの一部からもブーイングや指笛が飛んだ。ゴール裏からはどんな罵声が飛んだのか分からないが、一部の選手たちは明らかに不快な表情をしているのがビジョンの映像からも見て取れた。チームの雰囲気が明らかに良くない。試合ごとの内容の浮き沈みが大きいので、次節の京都サンガF.C.戦までは様子見でも良いかもしれないが、既にリーグ戦は折り返し地点を迎えようとしており、このままの戦い方で後半戦から劇的に内容が改善するようにも思えない。順位表も気にする段階が近づいており、3月から4月にかけては勝てなくても静観スタンスでいた自分だが、今日の試合でちょっと考えが変わった。そろそろ、現場を超えたレベルで「何らかの変容を促す」ことも考えた方が良いのではないか。
FC東京 |
0 |
0 | 前半 | 0 |
3 |
サンフレッチェ広島 |
0 | 後半 | 3 |
|
|
|
| | 得点 | 49' | 荒木 隼人 |
| | | 59' | ジャーメイン 良 |
| | | 88' | 川辺 駿 |
GK | 41 | 野澤 大志ブランドン | GK | 1 | 大迫 敬介 |
DF | 32 | 土肥 幹太 | DF | 33 | 塩谷 司 |
| 47 | 木村 誠二 | | 4 | 荒木 隼人 |
| 44 | エンリケ トレヴィザン | | 19 | 佐々木 翔 |
MF | 99 | 白井 康介 | MF | 15 | 中野 就斗 |
| 37 | 小泉 慶 | | 24 | 東 俊希 |
| 8 | 高 宇洋 | | 6 | 川辺 駿 |
| 7 | 安斎 颯馬 | | 13 | 新井 直人 |
| 22 | 遠藤 渓太 | | 41 | 前田 直輝 |
| 33 | 俵積田 晃太 | | 51 | 加藤 陸次樹 |
FW | 16 | 佐藤 恵允 | FW | 9 | ジャーメイン 良 |
GK | 13 | 波多野 豪 | GK | 26 | 鄭 民基 |
FP | 3 | 森重 真人 | FP | 3 | 山﨑 大地 |
| 4 | 木本 恭生 | | 5 | 松本 大弥 |
| 10 | 東 慶悟 | | 18 | 菅 大輝 |
| 19 | マルセロ ヒアン | | 20 | 井上 潮音 |
| 27 | 常盤 亨太 | | 32 | 越道 草太 |
| 28 | 野澤 零温 | | 39 | 中村 草太 |
| 30 | 岡 哲平 | | 40 | 小原 基樹 |
| 39 | 仲川 輝人 | | 98 | ヴァレール ジェルマン |
| | | 警告 | 23' | | 塩谷 司 |
| | | 交代 | HT | | 前田 直輝 |
| | | 中村 草太 |
| | | 得点 | 49' | | 荒木 隼人 |
| | | 得点 | 59' | | ジャーメイン 良 |
高 宇洋 | | 62' | 交代 | | | |
東 慶悟 | | | |
白井 康介 | | | |
マルセロ ヒアン | | | |
エンリケ トレヴィザン | | 73' | 交代 | | | |
森重 真人 | | | |
佐藤 恵允 | | | |
仲川 輝人 | | | |
マルセロ ヒアン | | 77' | 交代 | | | |
岡 哲平 | | | |
小泉 慶 | | 85' | 警告 | | | |
| | | 得点 | 88' | | 川辺 駿 |
| | | 交代 | 90' | | 塩谷 司 |
| | | 越道 草太 |
| | | 加藤 陸次樹 |
| | | ヴァレール ジェルマン |
| | | 荒木 隼人 |
| | | 山﨑 大地 |
| | | 交代 | 90+4' | | ジャーメイン 良 |
| | | 松本 大弥 |