2025.5.10 (土)
2025 明治安田J1リーグ 第16節
FC東京 × ヴィッセル神戸
( 味の素スタジアム,15:00 )
match memo
- 5/3に行われたアルビレックス新潟とのアウェイ戦を3-2で制し、残留争いから一歩抜け出す形となった我らがFC東京。次は今季未だに達成できていない「連勝」を賭けた一戦だ。今節、ホーム・味スタに迎えるのは8位のヴィッセル神戸。リーグ2連覇中の強敵だが、今季はベストメンバーがなかなか揃わない台所事情もあって少し出遅れている。今節は4/25に行われた第12節から中3日ペースで続いた5連戦の最後の試合となるが、東京は前節(5/6)に試合が無かったため、中6日と余裕のあるスケジュール。一方の神戸は予定どおり試合をこなしたため中3日となっており、コンディションではやや東京に分がある状況だ。上位争いをしているチームの背中を少しでも大きく捉えるためにも、このアドバンテージを何とか生かしたい。
- 試合の序盤は明らかな神戸のペース。中盤でボールを失う東京に対して神戸が速攻を仕掛けるシチュエーションが度々発生し、22分にエリキ、25分に宮代がシュートチャンスを迎えるものの、今季リーグ戦で初めてゴールマウスに入った波多野が安定したセーブを見せ、ゴールを割らせない。東京は27分に最終ラインの木村が裏のスペースに走った白井へ絶妙なロングパスを通してチャンスを作るが、白井のシュートは神戸GK・前川がセーブ。ようやくボールを保持できるようになった東京もここからヒアンにボールを収められるようになり、39分・40分と立て続けに中央の高い位置でヒアンにボールが入るものの、神戸の良い守備もあってフィニッシュには持ち込めず。互いに良い形を作りながらも0-0で前半を終える。
- 後半に入り、しばらくは膠着状態が続いたが、徐々に東京のチャンスが増えてくる。63分に中盤でのボール奪取からカウンターが発動し、右サイドを突破したヒアンが中央へ折り返し。フリーの佐藤が押し込むだけという決定機を作るが、前川が巧く距離を詰めてシュートをブロック。東京はここまでで最大のチャンスを決められない。66分にはヒアンがボックス内右の狭い角度から意表を突いたシュートを狙うが、これも僅かにクロスバーを掠めてゴール前を通過してしまう。対する神戸は60分に大迫、70分にパトリッキと前線に強力なカードを投入。80分にはCKからゴールを陥れるものの、オフサイドの判定でゴールとならず。東京も直後に左サイド突破から途中出場の安斎がフィニッシュへ持ち込むが、これも前川がセーブ。86分には神戸が右サイドの折り返しから途中出場のクリスマンが押し込むが、またしてもオフサイドでゴール取り消しに。どちらも攻撃に迫力が増し、息の詰まるようば展開のまま試合は後半ATに突入する。
- AT4分、東京は中盤での浮き球の競り合いから裏のスペースに出たボールを途中出場の仲川が競り合い、こぼれ球をヒアンが押し込み遂にゴールネットを揺らす。スタンドが一瞬歓喜に揺れるが、直前の競り合いで仲川の手にボールが当たっていたためハンドの判定でゴールは取り消しに。しかし終了間際のAT7分、神戸の総攻撃を防いだ東京は波多野がゴールキックをクイックで裏のスペースへ蹴り込む。そこに走り込んだ仲川がボールを受け、前川が出てきたところでボールを引き取った安斎のフィニッシュを本多がカバー。CKに逃れたかと思いきや、カバーした際のボールが手に当たったとして、VARによるレビューの結果、PKに判定変更。決めれば勝利、外せば痛恨のドローという重圧のかかるPKをヒアンが豪快に蹴り込み、最後の最後で東京が1点を先制。これが決勝点となり、東京が1-0で勝利。味スタでは2/26の名古屋グランパス戦以来となる、大きな勝点3を獲得した。
- 陳腐な表現ではあるが、「最後まで諦めない」という、勝負における基本中の基本を貫徹した東京が大きすぎる勝利を引き寄せた。前半の立ち上がりこそ難しい試合運びを強いられたが、裏のスペースを使った攻撃で流れを引き寄せてからはゲームを支配。その後はヒアンのポストプレーを生かした攻撃やサイドでの押し込みからチャンスを多く作りだした。後半に決めておきたいチャンスをいくつか逃してしまい、それで試合が難しくなってしまったという課題はあるにせよ、本来東京が得意とする速攻からのチャンスと、その繰り返しによる相手陣内の押し込みという形を作ることができていた。これは明らかにシーズンのこれまでの姿と異なっていた。個人的に、味スタではこんなに痺れるような試合を長らく観られていなかったので、ヒアンのPKの場面は「神に祈った」し、タイムアップの瞬間は嬉しさと感動のあまり少し涙が出てしまった。それくらい大きな勝利だった。これで東京はリーグ戦で今季初の連勝。シーズンの流れはここから変わるかもしれない、そんな期待を持てる試合だった。次節はアウェイで浦和レッズとの試合。また難しいシチュエーションとなるが、引き続き期待したい。
FC東京 |
1 |
0 | 前半 | 0 |
0 |
ヴィッセル神戸 |
1 | 後半 | 0 |
|
|
|
マルセロ ヒアン(PK) | 90+13' | 得点 | | |
GK | 13 | 波多野 豪 | GK | 1 | 前川 黛也 |
DF | 32 | 土肥 幹太 | DF | 24 | 酒井 高徳 |
| 47 | 木村 誠二 | | 4 | 山川 哲史 |
| 44 | エンリケ トレヴィザン | | 15 | 本多 勇喜 |
MF | 99 | 白井 康介 | | 23 | 広瀬 陸斗 |
| 18 | 橋本 拳人 | MF | 6 | 扇原 貴宏 |
| 37 | 小泉 慶 | | 7 | 井手口 陽介 |
| 22 | 遠藤 渓太 | | 9 | 宮代 大聖 |
| 16 | 佐藤 恵允 | FW | 27 | エリキ |
| 33 | 俵積田 晃太 | | 13 | 佐々木 大樹 |
FW | 19 | マルセロ ヒアン | | 14 | 汰木 康也 |
GK | 41 | 野澤 大志ブランドン | GK | 21 | 新井 章太 |
FP | 4 | 木本 恭生 | FP | 2 | 飯野 七聖 |
| 5 | 長友 佑都 | | 3 | マテウス トゥーレル |
| 7 | 安斎 颯馬 | | 10 | 大迫 勇也 |
| 27 | 常盤 亨太 | | 18 | 井出 遥也 |
| 28 | 野澤 零温 | | 26 | ジェアン パトリッキ |
| 30 | 岡 哲平 | | 30 | 山内 翔 |
| 39 | 仲川 輝人 | | 31 | 岩波 拓也 |
| 53 | 北原 槙 | | 77 | グスタボ クリスマン |
エンリケ トレヴィザン | | 7' | 警告 | | | |
| | | 警告 | 37' | | 酒井 高徳 |
| | | 交代 | 59' | | 汰木 康也 |
| | | 大迫 勇也 |
| | | 交代 | 70' | | エリキ |
| | | ジェアン パトリッキ |
| | | 広瀬 陸斗 |
| | | マテウス トゥーレル |
遠藤 渓太 | | 77' | 交代 | | | |
安斎 颯馬 | | | |
小泉 慶 | | 83' | 交代 | | | |
常盤 亨太 | | | |
佐藤 恵允 | | | |
仲川 輝人 | | | |
白井 康介 | | | |
長友 佑都 | | | |
| | | 交代 | 85' | | 佐々木 大樹 |
| | | グスタボ クリスマン |
俵積田 晃太 | | 90' | 交代 | | | |
北原 槙 | | | |
マルセロ ヒアン | | 90+6' | 警告 | | | |
| | | 警告 | 90+12' | | 本多 勇喜 |
マルセロ ヒアン(PK) | | 90+13' | 得点 | | | |
| | | 警告 | 試合後 | | マテウス トゥーレル |