match memo

• 本日は久しぶりに地域リーグを観る機会を作ることができ、厚木市荻野運動公園を初訪問。小田急線の本厚木駅から路線バスで25分ほど揺られ、稲荷木バス停から更に徒歩15分で到着。場所としては厚木市内であるが、市の中心部からは遠く離れた場所にあり、いわゆる東丹沢エリアが目前に迫る緑豊かなロケーションだ。公園内の駐車場はデイキャンプに訪れた家族連れの車で満車状態となっており、わざわざ公共交通機関でやってきた物好きな自分はさながら異端者のようである。

• 今回観戦するのは、関東2部の｢厚木はやぶさFC×エスペランサSC｣。ホームの厚木はやぶさFCは、将来的なJリーグ参入を目指して2019年に｢はやぶさイレブン｣のチーム名で神奈川県3部リーグへ参入し、順調に昇格を重ねて2023年に関東リーグまで辿り着いた新進気鋭のクラブ。スタンドには少なくない数のファンが詰めかけており、知名度の高さを窺い知ることができる。対するエスペランサSCは2016年から関東リーグに所属しており、はやぶさよりも長いリーグ経験を持つ｢先輩｣にあたるものの、今季は両チーム共にリーグ戦3試合を終えて未だ勝利が無い。下位低迷は県リーグ降格へのリスクを孕むだけに、まずは肝心の1勝目が欲しいところだろう。今日は午前中から真夏のような強い日差しが照り付け、気温も26℃まで上昇。体感では記録以上の暑さを感じる中でのキックオフとなった。

• 試合の立ち上がりは、ラインを高めに設定するエスペランサに対してはやぶさが裏のスペースを有効的に使う場面が目立った。その流れからのCKでチャンスが続き、9分には左CKを秋本がヘディングで合わせるが、GKの高橋が弾き出してピンチ脱出。その後も中盤でのロストが散見されるエスペランサに対し、はやぶさが正確なフィードや縦パスを打ち込みながらボールを支配して攻める時間が続く。41分には小椋の浮き球でのスルーパスに反応した田代がダイレクトボレーを放つが、これも高橋が止めてゴールを割らせず。はやぶさが優勢に進めた前半だが、0-0のまま前半を終了する。

• 後半に入って最初のチャンスはまたしてもはやぶさ。52分に中央の田代が左サイドの宮川へ展開し、深い位置からのグラウンダーの折り返しに中央の林がダイレクトで合わせるものの、僅かにゴールの右に外れてしまい、ここまでで最大のチャンスを逃してしまう。その後は膠着した時間が続き、徐々に｢攻め疲れ｣の色が見え始めたはやぶさに対し、エスペランサがボールを支配するようになる。83分には裏のスペースに出たボールに後藤が抜け出しGKとの1vs1になりかけるが、守備リーダーの本石が必死のカバーでシュートへ持ち込ませず。続く85分にはFKのクイックリスタートから途中出場の斎藤がミドルシュートを放つが、これもクロスバーを直撃。こちらもあと一歩でゴールを割ることができない。終盤は暑さの影響もあってか両者攻撃に精度を欠くようになり、結局0-0のままタイムアップを迎えた。

• 両チーム共に特徴の出た場面は等しくあったものの、いずれも｢火力不足｣で勝ち切れなかったという印象の試合だった。どちらかといえばゲームを支配していたのははやぶさの方。前半から前線に効果的なパスやフィードを配給し、流れの中やセットプレイでゴールを脅かしたが、GKの好守に阻まれて先制することができず。そして後半立ち上がりにも揺さぶりをかけてビッグチャンスを迎えたが、これも外してしまい、勝ち目が遠のいてしまった印象がある。対するエスペランサも受け身に回りながら虎視眈々とチャンスを窺い続け、試合終盤にいくつかチャンスがあったが、はやぶさの守備がどうにか持ちこたえた印象。暑さの影響で後半途中から足が止まってしまったことも割り引いて考える必要はあるが、両者共にここまで未勝利で来ているのも何となく理解できる内容ではあった。とはいえ、リーグ戦は未だ4試合を終えた段階に過ぎないので、両チームの今後に期待したい。個人的には久しぶりに関東2部を観たが、そこまで｢雑さ｣を感じさせない試合内容で、さすが関東だなと感じた。また機会を作って地域リーグを観に行きたい。