2025.5.3 (土)
2025 明治安田J1リーグ 第14節
アルビレックス新潟 × FC東京
( デンカビッグスワンスタジアム,14:00 )
match memo
- ここ数年はFC東京のホームゲームないし関東近郊のアウェイしか行けない自分だが、5月の大型連休に日帰りで遠征可能な新潟へのアウェイ戦の日程が組まれたのは僥倖だった。日程確定の時点でスケジュールを押さえ、連休初日のため争奪戦となる新幹線のチケットも確保し、新潟へと向かった次第である。しかし、まさかこの試合が順位争いに絡む重要カードになろうとはスケジュール確保時点であまり想像できなかった。ホームのアルビレックス新潟は勝点「12」で17位、我らがFC東京は勝点「13」で16位となっており、依然としてJ2降格圏が目前に迫る厳しい状況。少しでも楽な状況にするためにはどちらもこの直接対決でなんとしても勝たなければならない。前節ホームで清水エスパルスに0-2と完敗を喫した東京に対し、新潟はアウェイでサンフレッチェ広島を1-0と下しており、勢いに乗りつつある。
- ホーム・ビッグスワンの声援を受けて新潟が優勢に試合を進めるかと思われた試合だが、先手を奪ったのは東京。8分、自陣からのクリアボールのこぼれ球を佐藤が回収し、ボールを引き取ったヒアンがドリブルでバイタルエリアまで持ち上がると、そのままコントロールショットをゴール左隅に沈めて0-1。シンプルな形から東京が先制する。出鼻を挫かれた新潟はなかなかフィニッシュへ持ち込む場面を作れず、1点差のまま推移するが、30分を過ぎたあたりからサイドで優位性を取る。特に左サイドアタッカーの奥村が35分と38分に立て続けのチャンスを迎えるが、いずれもゴールには結びつかず。対する東京もHTを前にしてカウンターでチャンスを作るが、こちらも得点には至らず、東京の1点リードで前半を終える。
- 後半に入り、スコアが動いたのは52分。東京は右WBでスタートした小泉がドリブルでカットインを試みると、ここから短いタッチ数のパスで土肥→佐藤→土肥→小泉と流れるようにパスが繋がり、最後はオフザボールの動きでボックス内に侵入していた小泉がゴール左隅に流し込んで0-2。東京にとって待望の追加点が入る。しかしホームの新潟もここから反撃。66分にボックス内の左ポケットでパスを引き出した奥村が狭い角度からシュートへ持ち込むと、木村の中途半端なこぼれ球処理を途中出場の笠井がダイレクトで押し込み1-2。1点差に詰め寄り、スタジアムの雰囲気が一変する。東京は接触プレイで頭部を強打した高が脳震盪により交代となるアクシデントも起き、徐々に防戦一方に。81分には途中出場のダニーロゴメスが右サイドから入れたクロスをファーサイドの奥村が頭で合わせるが、これはポスト直撃でゴールならず。すると、このこぼれ球を白井が回収してドリブルで中央を突進。そのまま裏抜けの動きを見せたヒアンにスルーパスを渡すと、ヒアンが冷静に決めきり1-3。鮮やかなロングカウンターで再びリードを2点差に広げてみせた。終盤は新潟が猛攻を見せ、11分と長く取られた追加タイムにセットプレイからダニーロゴメスに追撃の1点を許すものの、どうにか2-3のまま撤収完了。東京が非常に重要な攻防戦を制し、勝点を「16」に伸ばした。
- 東京にとっては、なにはともあれ「勝ったことに意味がある」という試合だったのではないか。攻撃面に関しては、ヒアンのリーグ戦初ゴールがこの重要ゲームで遂に炸裂。1点目の持ち上がりからのコントロールショット、2点目のカウンターから決めきる勝負強さ、いずれもヒアンの真骨頂といえるゴールだった。まさにヒアンのおかげで勝ち切ったといえる試合だったと思う。また2点目の小泉のゴールに至る崩しは完全に「地上戦」を制してこじ開けたものであり、シンプルなロングボール頼みでなくパスでも崩すことのできるチームの可能性を感じさせる1点だった。課題としては、新潟に1点返された後の守備のバタつきが挙げられるだろう。新潟の保持時に前から制約をかけ奪いに行く姿勢を見ることがはできたが、シンプルに高い位置へ放り込まれると所々で対応の怪しい部分も見られた。2試合連続の複数失点は見直しが必要なポイントといえるだろう。次のゲームまで1週間空くので、ここで立て直しを図って万全の状態で連勝にチャレンジしてほしい。
アルビレックス新潟 |
2 |
0 | 前半 | 1 |
3 |
FC東京 |
2 | 後半 | 2 |
|
|
|
笠井 佳祐 | 66' | 得点 | 8' | マルセロ ヒアン |
ダニーロ ゴメス | 90+9' | | 52' | 小泉 慶 |
| | | 82' | マルセロ ヒアン |
GK | 23 | 吉満 大介 | GK | 41 | 野澤 大志ブランドン |
DF | 25 | 藤原 奏哉 | DF | 32 | 土肥 幹太 |
| 2 | ジェイソン ゲリア | | 47 | 木村 誠二 |
| 3 | 稲村 隼翔 | | 44 | エンリケ トレヴィザン |
| 31 | 堀米 悠斗 | MF | 37 | 小泉 慶 |
MF | 22 | 新井 泰貴 | | 18 | 橋本 拳人 |
| 6 | 秋山 裕紀 | | 8 | 高 宇洋 |
| 16 | 小見 洋太 | | 22 | 遠藤 渓太 |
| 41 | 長谷川 元希 | | 16 | 佐藤 恵允 |
| 30 | 奥村 仁 | | 33 | 俵積田 晃太 |
FW | 99 | 小野 裕二 | FW | 19 | マルセロ ヒアン |
GK | 1 | 藤田 和輝 | GK | 13 | 波多野 豪 |
FP | 5 | 舞行龍ジェームズ | FP | 4 | 木本 恭生 |
| 11 | ダニーロ ゴメス | | 7 | 安斎 颯馬 |
| 15 | 早川 史哉 | | 27 | 常盤 亨太 |
| 19 | 星 雄次 | | 28 | 野澤 零温 |
| 20 | ミゲル シルヴェイラ | | 30 | 岡 哲平 |
| 33 | 高木 善朗 | | 39 | 仲川 輝人 |
| 42 | 橋本 健人 | | 53 | 北原 槙 |
| 46 | 笠井 佳祐 | | 99 | 白井 康介 |
| | | 得点 | 8' | | マルセロ ヒアン |
| | | 得点 | 52' | | 小泉 慶 |
小野 裕二 | | 58' | 交代 | | | |
笠井 佳祐 | | 58' | | 遠藤 渓太 |
小見 洋太 | | | 安斎 颯馬 |
ダニーロ ゴメス | | | | |
笠井 佳祐 | | 66' | 得点 | | | |
秋山 裕紀 | | 67' | 交代 | | | |
高木 善朗 | | | |
堀米 悠斗 | | | |
橋本 健人 | | | |
| | | 交代 | 73' | | 高 宇洋 |
| | | 白井 康介 |
| | | 交代 | 75' | | 佐藤 恵允 |
| | | 仲川 輝人 |
| | | 得点 | 82' | | マルセロ ヒアン |
| | | 交代 | 85' | | エンリケ トレヴィザン |
奥村 仁 | | 85' | | 岡 哲平 |
ミゲル シルヴェイラ | | | 橋本 拳人 |
新井 泰貴 | | | 常盤 亨太 |
星 雄次 | | | 俵積田 晃太 |
| | | | 野澤 零温 |
藤原 奏哉 | | 90+6' | 警告 | | | |
ダニーロ ゴメス | | 90+9' | 得点 | | | |