match memo

• 2月26日の第3節のホーム･名古屋グランパス戦以来、リーグ戦6試合連続で勝利から遠ざかっている我らがFC東京。その間に順位もずるずると後退し、この第10節を迎えた時点での順位は18位だ。まだ順位表を気にするような段階でないとはいえ、不安を拭えないのもまた事実である。今節は国立競技場での金曜ナイトゲーム。相性の良い国立で勝点3を獲得し、チームに自信を取り戻したい。対戦相手は首位と1ポイント差の4位･柏レイソル。昨オフにはチームの中心的存在だったマテウスサヴィオが移籍でチームを離れたものの、今季から指揮を執るロドリゲス監督のもと、悪くないシーズンの入り方を見せている。

• 試合前から降り出した強雨の中、試合はどちらも明確に主導権を握ることができず膠着した展開。両者ゴール前まで攻め込む場面はあるものの、決定的なフィニッシュまでは持ち込むことができない。しかし35分、東京は左サイドからカットインした俵積田のミドルシュートが柏の選手に当たり、こぼれた先に待っていた仲川がすかさず押し込んで1-0。やや運が味方したとはいえ、東京にとってはリーグ戦7試合ぶりの先制点だ。更に41分、東京はボックス近くで獲得した直接FKを安斎が狙うが、クロスバーに弾かれて追加点はならず。終盤には柏にゴールを脅かされる場面もあったが、1点リードで後半へ折り返す。

• 後半、柏は54分に小屋松の折り返しを小泉が合わせたシュートが僅かにゴール右に外れてしまうと、その後は東京がヒアンを投入してカウンター狙いに切り替え、追加点を狙いながらもリスクを抑える戦い方にシフト。その効果もあってか、柏もこれといったチャンスを作れないまま時間が過ぎていく。しかし東京も追加点を奪えず、1点差のまま試合は終盤へ。柏は85分にロングボールの競り合いから小泉がボールを回収して抜け出すビッグチャンスを作ると、88分に右サイドからのクロスに中央のジエゴがダイレクトボレーで合わせ、これは野澤の正面を突いて東京がどうにかピンチ脱出。柏の猛攻が続く。このまま逃げ切りたい東京だが、追加タイムに入ってからの90+4分に右サイドのハーフスペースへ入り込んだ熊坂の折り返しを途中出場の木下がダイレクトで押し込み、土壇場でスコアは1-1の同点に。そしてこのまま試合終了。東京にとってはあまりにも厳しいドロー決着となった。

• 目前まで迫っていた勝点3が手元からこぼれ落ちる形となり、ホーム側のゴール裏スタンドからはブーイングが浴びせられていた。試合終盤、それまで効果的に発動していたカウンターを全く撃てなくなり、防戦一方となってしまった。特に5バックで守っているにも関わらずサイドを深くまで突かれる場面が続き、最終的にはゴールを割られてしまっている。守備の混乱は明白だった。攻撃面も仲川の1点があったとはいえ、機能していたとは言い難い内容。柏も低調な印象があったのでドロー決着は妥当かもしれないが、それにしても勝点の落とし方が劇的すぎる。相性の良い国立でのこの結末という事実も含め、ショックは大きい。ただ、今は前を向くしかない。苦しいシーズンになることは避けられないのかもしれないが、個人的にはこのサッカーを続けた先に何が待っているのか、まだ興味がある。