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2021.9.18 (土)
2021 明治安田生命J1リーグ 第29節
FC東京 × 横浜FC
( 味の素スタジアム,19:00 )

先週に引き続き、今週末も味スタでのホームゲーム。飛田給の駅前は本降りの雨となっていた。数日前から東シナ海で停滞した後に東進する形で関東地方へ接近してきた台風14号の影響で、一時は試合開催自体が危ぶまれたものの、事前の予報ほど天候が悪化しなかったこともあり、予定どおりの開催が決定。試合が出来ること自体はありがたいが、雨だけは仕方がない。足早に味スタへ向かい、メインゲートで濡れないよう傘を閉じるのに難儀しながらもどうにか入場。こういう時にサクッと入場できるQRチケットのありがたみを改めて感じる。雨は昨日から断続的に降り続いており、ピッチコンディションがどうなるか気を揉んでいたのだが、ピッチ内アップでのボールの転がり方を見る限りはいつもどおり。とりあえず「まともな試合」は観られそうで安心だ。前節、久しぶりの味スタでの試合ながら、柏に0-1の完封負けを喫して順位も9位に後退した東京のリーグ戦は残り10試合。今節の相手は最下位に沈む横浜FCだ。当然ながら勝点「3」奪取を狙いたい相手ではあるが、横浜とは昨季のリーグ戦で1勝1敗と結果・内容共に五分五分だったし、今季のアウェイでの試合も、勝利したとはいえ1-0と僅差であった。今夏の補強でも新外国人選手を多く補強しており、実際に蓋を開けてみるまで「読めない」相手である。東京は先週末に移籍加入が発表された長友が選手登録され、今節から早速スタメン入り。小川との同時出場となり、どうやら小川が右サイドに回る様子だ。代わりに前節までスタメンだった鈴木は今日はベンチ外。今季の両サイドバックは怪我や移籍加入で次々にレギュラーが変わっていて、選手たちも大変だろうなと思う。

試合は横浜が高い位置からプレスをかけてきて、東京が一旦受けに回る流れからスタート。横浜のシステムは前節の柏と同じ3-4-2-1であり、おそらく前節の東京の試合もスカウティングしているはずなので、予想できた入り方ではある。東京は雨の影響もあるし、とにかく自陣でのミスだけは絶対に許されない。ドリブル突破を得意とする松尾の突破への対応などでやや手こずる中、横浜はディフェンスリーダーのガブリエウが足を痛めた様子で13分に韓浩康と交代。足下が不安定な分、アクシデントにも気を付けたい試合だ。19分、右サイドを押し上げた小川のパスを受けたディエゴが1タッチ目でボールを浮かせてコントロールし、2タッチ目で左足を振り抜くと、これがゴール左隅に突き刺さって1-0。ディエゴの技術力の高さが凝縮されたようなゴールにより、今日は東京が先手を奪う。更に21分、横浜が右サイドから組み立てを試みたところに東京がプレスをかけて圧力をかけると、中央への伊野波の横パスがレアンドロへのプレゼントボールに。レアンドロがマーカーをシュートフェイクでかわしてフリーとなり、冷静に右足を振り抜いて2-0。先制から僅か2分で東京がリードを広げる。ここからは横浜が一旦落ち着きを取り戻し、27分のジャーメインの強引な突破からのシュートなどで打開を試みるが、長友が持ち前の運動量でサイドを埋めている東京にとってはそれほど脅威ではない。43分、東京はアダイウトンの突破から相手陣内に攻め込むと、右サイドに流れたボールをレアンドロ→青木→東と細かく繋ぎ、東の左足をクロスを中央のディエゴがヘディングでゴール左隅に叩き込み3-0。前半のうちに試合の大勢を決めてHTを迎える。早々に追い込まれた横浜は、HT明けから交代カードを2枚切ってシステムを4-4-2に変更。立ち位置が変わったことでボランチを経由する縦パスが前半よりも多く出てくるようになった横浜に対し、東京はやや受けに回るが、やることは変わらず、自陣で跳ね返してカウンターを狙うだけだ。東京は田川・永井・渡邊とフレッシュなアタッカーを投入して様子を見る。すると終盤の86分、自陣でのボール回収からファストブレイクが発動。レアンドロからのラストパスで抜け出した渡邊のシュートは一旦GKに防がれるが、こぼれ球を渡邊が奪ってシュートに繋げ、更なるこぼれ球をレアンドロが押し込んで4-0。東京が点差を更に広げて試合終了となった。

上位進出に向けて連敗だけは避けなければならない状況の中、文句無しの完勝での勝点「3」確保。まずはこの結果を素直に喜びたい。前節の柏と同様、横浜は高い位置からボールに対して圧力をかけてきたが、そこで冷静に回しながらチャンスを窺い、先にゴールを奪うことができた。前節に出た課題をクリアできたことに関しては収穫といえるだろう。ディエゴが先制点を奪った後、相手からプレゼントしてもらったチャンスとはいえ、レアンドロがすぐに追加点を決めてくれたことで更に試合運びが楽になった。横浜にとっては、ガブリエウのアクシデントによる交代の影響もあったとはいえ、試合序盤の攻勢が落ち着いた後に盛り返してきた東京の攻撃に対してあまりに受け身になりすぎたことが災いしたように見える。特にアダイウトンがドリブルで仕掛けてくると、ディレイの構えこそ見せるものの自陣深くまでDFラインが後退し、全く「獲りどころ」が無い状況だった。これだけブロックが圧縮されると、東京からすればミドルなどは撃ち放題である。ディエゴによって生まれた先制点と3点目はまさにこの形から生まれたもので、東京の強みが存分に表れた展開だったと思う。加入即スタメンとなった長友も、全く問題なくチームにフィットしていた。対面の相手は攻撃力のあるブラジル人のマギーニョだったが、しつこいマークで何度も突破を食い止め、マイボールを奪取するたびに大きな声と身振りでスタンドを煽って雰囲気を盛り上げてくれた。攻撃では見せ場は作れなかったものの、アダイウトンを近くでサポートし、サイドを押し上げる役割を完遂。小川を右サイドに配置転換してまで長谷川監督がこのポジションで起用したのも納得の活躍ぶりだった。DFラインのメンバー構成に関しては、右サイドのレギュラーをこのまま小川で固定するかどうかも含めて個人的に思うところはあるが、結果が出るなら全く文句は無い。最後に、味スタのピッチが全く水浸しにならずに済んだのが個人的には驚きだった。オリンピックの関係で改善したのかは分からないが、水はけが良く、選手たちもストレスなくプレーしていたように見えた。これまで味スタの水浸しピッチには何度も興醒めさせられてきたが、その心配が不要になったのであれば嬉しい。次節は中3日で、3位・名古屋との一戦が待っている。残りシーズンの過ごし方を左右する一戦だけに、今日とは比べものにならない緊張感が求められるだろう。良い意味でリセットして次の試合に臨んでほしい。

FC東京 4 3前半0 0 横浜FC
1後半0
ディエゴ オリヴェイラ19'得点
レアンドロ21'
ディエゴ オリヴェイラ43'
レアンドロ86'

GK 13波多野 豪 GK 49スベンド ブローダーセン
DF 6小川 諒也 DF 19伊野波 雅彦
3森重 真人 5ガブリエウ
32ジョアン オマリ 3袴田 裕太郎
50長友 佑都 MF 2マギーニョ
MF 21青木 拓矢 15安永 玲央
31安部 柊斗 6瀬古 樹
10東 慶悟 24高木 友也
20レアンドロ 14ジャーメイン 良
15アダイウトン 37松尾 佑介
FW 9ディエゴ オリヴェイラ FW 39渡邉 千真

GK 1児玉 剛 GK 44六反 勇治
FP 4渡辺 剛 FP 4高橋 秀人
7三田 啓貴 13小川 慶治朗
11永井 謙佑 22岩武 克弥
22中村 拓海 26韓 浩康
23渡邊 凌磨 31サウロ ミネイロ
27田川 亨介 50フェリペ ヴィゼウ

長谷川 健太 早川 知伸

交代13'ガブリエウ
韓 浩康
ディエゴ オリヴェイラ19'得点
レアンドロ21'得点
ディエゴ オリヴェイラ43'得点
交代HT渡邉 千真
サウロ ミネイロ
高木 友也
フェリペ ヴィゼウ
アダイウトン59'交代
田川 亨介
ディエゴ オリヴェイラ77'交代
永井 謙佑
東 慶悟
渡邊 凌磨
交代80'松尾 佑介
小川 慶治朗
レアンドロ86'得点
レアンドロ90'交代
三田 啓貴

村上 伸次

4,368人