昨週の11日に本戦が開幕したACL。東京はアウェイでの初戦・蔚山現代戦で1-1のドロー。終盤に追いつかれはしたものの、昨季終盤の負傷離脱から戻ってきたディエゴが早速得点を挙げるなど、悪くない手応えを得ての第2節となった。ホームに迎える相手は、2018/19シーズンのオーストラリア・Aリーグ王者、パースグローリー。中国を中心に猛威を振るう新型コロナウイルス・COVID-19の感染拡大による影響により、開幕節の上海申花戦が延期された関係で、パースはこの試合が大会初戦となる。東京は前節に結果を出した、ディエゴ・アダイウトン・レアンドロを前線に並べる3トップでスタート。
試合の立ち上がりはホームの東京が優勢に進める展開。パースは守備時に5バック気味になる3-4-2-1のシステムで、Jリーグで同様のシステムを採用するチームが多いこともあり、東京にとっては比較的相対しやすいように思われた。しかし、膠着した時間が続くと、徐々にパースが守備からその牙を剥く。前線の3人がボールに対して強烈にプレスを仕掛けると、中盤も連動してパスコースを塞ぎ、東京の攻撃をビルドアップの時点から摘み取ろうとする。東京はこれに正面から付き合う形になり、後ろからボールを繋ぐが、徐々にプレスの網にかかるようになり、不用意なピンチを招く場面も。何度かセットプレイからチャンスを作る場面はあったが、それでも決定機をひとつも迎えることができないまま、前半は0-0のスコアレスで終える。
後半に入ってもなかなか3トップの孤立気味の時間が続き、先手を打つのを決断したのは長谷川監督。59分、アダイウトンに代え、大卒ルーキーの紺野を右アタッカーの位置に配する。するとこれが効果を発揮。ドリブルで前線に運ぶこともできるだけでなく、軽快にボールを捌いて見方を使っていく紺野の身軽なプレイがピッチにリズムをもたらし、再び流れは東京へ傾いていった。パースは前線に僅かな人数を残し、自陣ゴール前を距離を詰めた守備で固め、0-0での幕引きを意識した戦い方。東京はほぼワンサイドゲームに近い内容でパース陣内を押し込むが、決定機だけが遠い。しかし重苦しい雰囲気の続いた82分、東京は左サイドを起点にハーフスペースに安部が走り込んでボールを引き出すと、後方でフォローの動きを見せたレアンドロにボールを落とすと、すかさずレアンドロがシュート。するとカットに入った相手選手にボールが当たってシュートコースが変わり、GKの頭上を越してゴールイン。粘るパースの守備をこじ開けた東京が終盤に大きな1点を奪う。その後はオマリを投入して徹底的に守り、がっちりとクローズして試合終了。苦しい内容ながら紺野の投入を機に流れを奪い返した東京が、必勝を期したホームでの一戦で勝利。2試合消化で勝点を「4」に伸ばし、グループ暫定首位に立った。