今季、神奈川県リーグから関東2部に1シーズンで復帰した東邦チタニウム。ここまでの成績も好調であり、前節終了時点で1部昇格圏内の2位につけている。しかしその前節は勝てば2位以内確定というシチュエーションだったものの、3位・エスペランサSCとの上位対決で0-1と敗れ、勝点差を「1」に詰められた。依然として優位な立場であることに変わりはないが、残り2試合を連勝して逃げ切りたいところ。まずは今節、地元・茅ヶ崎での最終戦で必勝を期す。対戦相手の神奈川県教員SCは、今季16試合を戦って未だ1勝しか挙げられておらず、2試合を残して既に最下位の10位が確定。関東からJFLへの昇格等で残留チームの繰り下げが発生しない限り、2003年シーズン以来17年ぶりの神奈川県リーグ降格が決定している。
試合の立ち上がりはホームの東チタが攻め込む展開。2トップの吉田・和田がプレイすることのできるスペースが多く、DFラインの裏に走り込むもよし、ポストプレイでキープするもよし・・・と攻撃の選択肢が多い入りとなる。17分にはクロスのこぼれ球を拾った和田のコントロールされたシュートがゴールマウスを捉えるが、GK・海野が弾き出してピンチ脱出。21分にも吉田がミドルシュートを狙って僅かに枠を外れるなど、東チタのチャンスが続く。序盤はやや浮足立っていた神奈川教員だが、この時間をどうにか耐えきると、東チタの2トップに距離を詰めて対応できるようになり、徐々に流れが変化。神奈川教員はボランチに入る私市の所でゲームを作れるようになり、試合は拮抗した展開に持ち込まれる。前半は0-0で終了。
堅い試合のムードは後半に入っても変わらず。東チタはサイドにボールを開いて時間を作る場面が増え、少しでもゴール前の人数を増やそうとするが、神奈川教員も的確にボールを跳ね返し、56分から交代で投入された岡田が執拗にボールを追う厭らしい反撃を仕掛けて対抗する。できるだけ早くスコアを動かしたい東チタは、77分に吉田のポストプレイからゴールほぼ正面で佐藤(祐)がフリーのビッグチャンスを作るが、シュートが大きく枠の上に外れてチャンスを逃してしまうなど、焦りがプレイに出始める。そして迎えた88分、神奈川教員は自陣から縦に出てきたロングパスが東チタDFのカバーするゾーンの間に落ちてきた所を、直前に投入されたばかりの山田(康)が拾い、寄せられながらも強引にシュート。これがゴール右隅に突き刺さり、神奈川教員が土壇場で1点を先制する。攻勢を強めながらワンチャンスを決められて失点を喫した東チタはパワープレイに出るが、残された時間は少なくこのまま試合終了。神奈川教員は早い時間帯での守備のアジャストから相手の焦りを誘い、上位の東チタから今季2勝目を挙げることに成功した。他会場では3位のエスペランサが勝利し、敗れた東チタを抜いて2位に浮上。東チタは最終節を前に3位に後退。「自力昇格」のチャンスを手放す形となってしまった。