ルヴァンカップ・準々決勝。G大阪との対戦になった東京は、水曜日に行われたアウェイでの第1戦で0-1の敗戦。VARによるゴール取り消しのジャッジに救われる場面もあったとはいえ、アウェイゴールを奪えずに苦しい状況でホームでの第2戦を迎えた。ラグビーW杯により味スタが使用できず、グループステージでの柏戦に続くNACK5スタジアムでのホームゲーム。日本代表に召集されている永井と橋本が不在のほか、G大阪から期限付き移籍で加入している呉宰碩も契約により出場できず、U-18に所属するバングーナガンデが左SBで第1戦に続くスタメン。それ以外は現有戦力のほぼベストメンバーを送り出して必勝態勢で臨む。試合は当初18:00開始の予定だったが、非常に強い台風15号が夜に首都圏へ接近する影響で、試合前日に16:30開始へ前倒しが決定。昼の暑さが残る中の「薄暮開催」となった。
試合の入りはG大阪のペース。セカンドボールを支配してアタッキングゾーンまで素早く攻め込み、フィニッシュのチャンスを窺う時間が続く。東京はファウルやCKへ逃れる場面が続き、しばらくセットプレイが続くが、この難しい時間帯を耐える。すると20分、アルトゥールの縦パスが流れてキープしようとした菅沼に対してプレスをかけたディエゴがボールを奪い、GK・東口と1vs1。ディエゴがこれを流し込んで東京が1点を先制。相手の隙を突き、2試合合計スコアを1-1のイーブンに戻す。これで流れを手繰り寄せた東京は、その後も攻撃の時間が続く。24分、バングーナガンデが自陣からのドリブルで左サイドを突破して放ったシュートは、東口の正面。36分にはジャエルのラストパスにディエゴが抜け出すが、フィニッシュに持ち込む手前の切り返しでDFにカットされてシュートに持ち込めず。ATのFKのチャンスも決まらず、東京がペースを握りながらも、G大阪がやや余裕を残した守りで耐え抜き、1-0で前半を終える。
後半はネジを巻き直したG大阪が再び攻撃の姿勢。47分に倉田の強烈なミドルがゴールマウスを捉え、林が何とかセーブ。49分には右サイドから攻めこんだパトリックが「押し込むだけ」の絶好のクロスを送り込むが、中の髙江に合わず。東京はオープンな展開を強いられて難しい試合運びとなる。58分、東京はジャエルに代えて田川、G大阪も髙江に代えて今夏にドイツから復帰した宇佐美を投入し、共に攻撃を強化する。すると67分、東京は髙萩のフィードをディエゴが競り合って落とし、これを拾って抜け出した田川が左足でファーサイドに流し込んで2-0。今季加入した田川の待望の初得点で、東京が2試合合計で2-1と逆転に成功する。このまま逃げ切りを図りたい東京だが、G大阪も宇佐美が存在感を発揮。72分に右サイドを突破した小野瀬のクロスをパトリックに頭で合わされ、これは枠を外れるが、76分には宇佐美のPA右角付近からのクロスを再びパトリックが頭で合わせ、これが決まって2-1。2戦合計2-2の同点、そして東京が第1戦で奪えなかった貴重なアウェイゴールを奪い、再びアドバンテージを得る。このままでは敗退となる東京は三田を投入して梃子入れを図るが、コンディションに難を抱えていたディエゴを下げてしまったこともあり、前線でボールをキープできず、チャンスを作れなかった。結局、2-1のまま試合終了。2戦合計2-2、アウェイゴール差で上回るG大阪が準決勝進出となった。東京は天皇杯に続き、ルヴァンカップも敗退。踏ん張りどころで失点してしまう守備と、途中交代でギアを上げることのできない攻撃、双方の課題が浮き彫りの結末となった。