8月のホーム3連戦のうち、2戦目を迎える東京。前節に2位・川崎が引き分け、3位・横浜Mと4位・鹿島が敗戦。東京を追いかける上位陣が相次いで勝点を落としたことにより、2位との勝点差は「6」に開いた。次々節から始まるアウェイ8連戦を前に首位固めに入りたい状況で迎える今節の相手は、12位・仙台。6月にアウェイで対戦した際、0-2の完敗を喫した相手だ。仙台は長谷川監督が就任してからカップ戦を含めて7試合を戦いながら一度も勝てておらず、極めて分が悪い。難敵を相手に勝点を積み上げられるか、非常に難しい試合だ。スタメンを確認すると、前節に続きジェソクが左SB、そして前節アシストを決めた三田も入っている。三田にとっては3年前に東京からの期限付きで所属した古巣との対決だ。
前半はコイントスで仙台がコートチェンジを選択したことで、東京がホーム側へ攻める形。味スタでのコートチェンジは今季松本と磐田が仕掛けてきたが、いずれも1-0で勝利している。頭から突っ込んで入りたくなるシチュエーションではあるが、東京は無闇に熱量を上げず、慎重な入り。互いにブロックを素早くセットして様子見の姿勢を見せたことで、チャンスの散発的な内容となる。東京は25分に髙萩のパスから右サイドを崩した室屋がハーフスペースに侵入した三田へラストパスを通すが、三田のシュートは枠外。仙台も32分に永戸のミドルシュートがDFに当たってコースが変わるが、林がCKに逃れて事なきを得る。東京はディエゴ・永井が何度か裏に抜け出そうとするが、6月の対戦時に2人を完璧に封じたシマオが、今日もチャンスの芽を確実に摘みとる。やはり、このシマオを攻略しないことには勝利は無さそうだ。結局互いにチャンスは少なく、スコアレスで前半終了。
後半立ち上がり、仙台はテンションを上げて東京へ攻め込む時間を作るが、前半を抑え目で乗り切った東京もここから反撃。52分に永井が高い位置で奪ってからの速攻は仙台の素早い帰陣で食い止められるが、続く57分、東が中央から裏のスペースに送り込んだ浮き球のパスに永井が抜け出すと、これを食い止めようとしたシマオがPA内で永井を後ろから倒し、PKの判定。これまで幾度となく苦しめられてきたシマオから決定的なファウルを引き出すことに成功する。ディエゴが蹴ったPKは、駆け引きの末に仙台の新外国人GK・スウォビィクが完全に読み切ってセーブされてしまうものの、キックの瞬間にスウォビィクの両足がゴールライン上から前に出ていたとしてイエローカード&蹴り直しの判定。仙台の選手が猛抗議するが、判定は覆らない。2度目のPKはディエゴがタイミングを上手く外して右隅に冷静に蹴り込み、東京が何よりも欲しかった先制点を奪う。仙台は攻撃的な選手を投入して同点ゴールを目指すものの、ここ2試合無失点の東京がブロック内に入ってくるボールを堅実に跳ね返し。終盤に投入されたジャエル・大森・羅相浩の3人が前から圧力をかけ、仙台の攻撃の起点を潰していた。結局、1点差を堅実に守り抜いた東京がクリーンシートで逃げ切りに成功。コートチェンジから揺さぶりをかけてきた相手に対して、前節同様の後半からギアを上げる戦い方が功を奏し、PKの蹴り直しというジャッジにも救われた東京が長谷川監督体制下で初の仙台戦勝利。勝点を「48」に積み上げることに成功した。2位・川崎が名古屋に0-3で大敗したことで、代わって2位に浮上した鹿島との勝点差は「7」。まだまだ盤石とは言い難いが、首位独走態勢は維持できた。次節でホーム3連戦は最後。次もしっかりと勝ちたい。