ルヴァンカップの準々決勝進出を賭けたプレーオフステージ。Bグループを2位で通過した東京は、Cグループ1位通過のC大阪とのホーム&アウェイを戦う。グループ2位クラブがホームで第1戦を行うことになるが、「アウェイゴールを与えない」ことに集中して戦うことができるという意味で、東京のようなチームにとってはむしろ第1戦ホームで良かったなと思う。先週末のリーグ戦から中3日での試合だが、メンバーは大きく入れ替えず、必勝態勢での試合。永井も肩の負傷から復帰し、スタメンに入った。対する相手は、5月にリーグ戦初黒星を喫しているC大阪。東京と同じく堅守を誇るチームだけに1点がカギを握る試合になりそうだ。改修工事があった関係で、味スタでの平日ナイトゲームは今季初だが、カップ戦ということもあって観客数は6,000人に満たない入り。リーグ戦では好調な集客が続いているだけに、この空きっぷりは妙な懐かしさを覚える(笑)。
2戦トータル180分の戦いということで、なんとなく予想はしていたが、案の定試合は非常に堅い内容となった。とにかく両チーム共に帰陣が早く、ブロックをセットした状況では互いに全く隙を見せない。そういった中で、やや東京が押し気味に試合を進めるものの、C大阪も中途半端なボールロストを奪えばゴール前まで素早く運んでくる。何度かシュートチャンスも許してしまい、苦しい流れだった東京だが、それでも43分に均衡を破ることに成功する。右サイドを崩してからサンホのクロスが左に一度流れるものの、これを拾った東のクロスをDFの死角から入ってきた永井がヘディングでゴール左隅に叩き込み、東京が1点先制。ゴール前で矢島がDFのマークを集め、オトリになっていたのも効いたように見えた。前半はC大阪の方にむしろチャンスは多かったが、ワンチャンスを生かした東京がリードして後半へ。このまま無得点で敗れると厳しい状況に追いやられるC大阪が前に出てきたことで東京にも相応のチャンスが生まれるようになったが、追加点を奪えず1点差の際どい攻防が続く。63分にディエゴを投入するなど、持てる戦力をほぼ全てつぎ込んだ東京に対し、C大阪もサイドを多く使うようになり、終盤にかけてじりじりとホームチームの陣地を切り崩しにかかったが、なんとしてもアウェイゴールを与えたくない東京が全員必死にボールを追って守備を貫徹。試合終盤、永井がヘロヘロになりながらもボールを追っていた光景が印象的だった。結局、東京が1-0でホームでの第1戦を先勝。第2戦に向けて大きな勝利を挙げた。
1点差の息の詰まるような試合内容が最後まで続き、コンディション面での代償は少なくなかったが、それでも大きなホームでの先勝だった。両チーム共にそれほどリスクを冒して前には出てこず、相手が前に出てくるのを待っているかのような慎重な試合展開だったが、前半のチャンスを決めきれなかったC大阪に対し、東京は前半ほとんど無かった決定機を一発で沈めたことで結構楽になったのではないかと思う。後半はややゲームスピードを上げすぎて安易に攻め込まれる場面もあったが、それでも最終的にクリーンシートで抑え、アウェイゴールを許さなかったのは大いに評価できるところだと感じた。長居での第2戦はもちろん、リーグ戦へ切り替える意味でも大きな勝利だったのではないか。試合内容はお世辞にも派手とは言い難かったが、「勝利」という結果が出たことに安堵した試合だった。