この週末、東京はC大阪とのアウェイ戦だったが、自分は関東に留まり近隣のカードを観に行く。すると、ちょうど混戦が続くJ2上位争いの直接対決が日立台で組まれていた。「東武野田線ダービー」の名でも知られる、柏と大宮の直接対決だ。勝点は3位の大宮が「26」、6位の柏が「23」と接近しており、見応えがありそう。チケットの売れ行きが若干気にはなったが、当日訪れてみたらゴール裏以外は比較的平和。満員ぎっしりの日立台は苦手なので、この程度の入りがちょうど良い。まだ5月ではあるが、午前中からぐんぐん気温が上がり、日向に座っているだけで汗ばむような暑さ。選手にとってはかなり厳しいコンディションかもしれない。柏はオルンガ・クリスティアーノ・瀬川というJ1クラスの3本槍が今日もスタメン。一方の大宮は得点源のフアンマがベンチスタート。アウェイゲームということもあり、まずは守備をしっかり、という狙いなのかもしれない。
スタートのシステムは両チーム共に3-4-2-1のミラーゲーム。大宮がややハードな守備で流れを掴む立ち上がりとなったが、徐々に柏がアジャストして中盤のヒシャルジソンの所で持てるようになる。28分、柏はゴール前の密集でボールを収めたオルンガがコンパクトに振り抜いてゴールに叩き込み柏が先制。何人に囲まれていたか分からないくらいの密集だったが、それを決めてしまうのだからもうどうしようもない。大宮にとっては割り切るしかない失点だ。HTを挟んで50分、柏はゴール正面の絶好の位置で得た直接FKをクリスティアーノが蹴るが、クロスバーを叩いて追加点ならず。56分にもクリスティアーノとオルンガのコンビネーションでチャンスを作るが、シュートは枠を外れてしまう。大宮は52分にフアンマを投入して前線に据え、1点を取りに行く姿勢。すると66分、大宮はGKのフィードがそのまま柏の裏のスペースへ流れていく形となり、富山のサポートを受けながら抜け出したフアンマが落ち際のボールをダイレクトでゴールに叩き込んで1-1の同点。実にシンプルだが、フアンマの持ち味が出た1点でもあった。柏はここから交代カードを次々に切って勝ち越しを狙うものの、試合終盤になって足が止まってきた影響もあり、決定機を作るには至らず。結局1-1のドロー決着となった。
柏が大宮を「仕留め損なった」感のあるドローだった。立ち上がりの柏は大宮の守備を前にやや気おされている感じがあったが、ヒシャルジソンがボールを持つことで中盤に落ち着きが生まれ、前線から瀬川が下りてきて組み立てに顔を出すことでリズムを作り出した。オルンガの先制点のインパクトも大きかった。ただ、後半立ち上がりの2度のビッグチャンスを決めきれなかったのは痛かった。そこを逃したことで大宮に付け入る隙を与えてしまった感は否めない。大宮は先制こそ許したが、1点差のまま我慢したことで、ワンチャンスを得点に結びつけられるフアンマの同点弾を呼び込むことができた。敗れたら柏に勝点で並ばれる状況だったことを考えれば、大宮にとっては充分合格点といえるドローだったのではないか。J2の上位争いは未だに突出した存在が無く、見ごたえある戦いが当分続きそうだ。