午前中に東伏見で行われた関東2部の試合からハシゴ観戦。ややタイトなスケジュールだったが、鶴川からのシャトルバスもそれほど渋滞に巻き込まれず、キックオフに無事間に合った。町田が今節迎える相手は、現在首位を走る水戸。長谷部監督が率いて2年目のシーズンは開幕から好調を維持し、ここまで6勝5分の負け無しという見事なシーズンを送っている。チームの好調ぶりにも後押しされてか、野津田のビジター側スタンドはほぼ満席。試合前から選手を後押しするサポーターの歓声にも心なしか迫力が感じられ、悲願のJ1昇格に向けた勢いを感じられる。どういうサッカーを見せてくれるのか、楽しみな一戦だ。
試合を通して目立ったのは、攻守両面における水戸の切り替えの早さだ。町田が一度ボールを奪うと、すぐにボールに寄せて奪い返しに行く。奪ってからの縦のスピードも速い。これに加え、前線で待つ黒川がボールを収めてくれるので、リズムを作ることができていたのは明らかにアウェイチームの方。クロスへの対処に関しては町田も粘りを見せたこともあり、前半は0-0で終える。後半になると町田がやや盛り返す流れ。62分には右サイドの大谷が攻撃参加を仕掛け、短いパスを繋いでゴール正面まで持ち込むものの、シュートは抑えられてしまう。するとこの直後、水戸は右サイドへの展開から茂木がダイレクトでDFラインの裏に斜めのロングボールを送り、これに抜け出した黒川が飛び出してきた増田の頭上を抜くループシュートを沈めて0-1。やや押され気味だった水戸が先に1点を奪う。得点が必要になった町田が依然として攻勢を緩めない中、水戸はその裏を突く冷静な試合運び。75分に増田の中途半端な飛び出しを抜いた清水のシュートは惜しくも枠外に逸れてしまうが、83分に左サイドでFKを得ると、町田のクリアボールを途中出場の浅野が見事なミドルシュートでゴール左隅に叩き込み、リードを2点差に広げた。守備も最後まで破綻を見せることなく試合終了。水戸が2-0のクリーンシートで快勝し、開幕からの負け無しを12試合に伸ばして首位をキープした。
とにかく水戸のシンプルながら強度の高い試合運びが光る一戦だった。町田は後半の立ち上がりこそパスでリズムを作れる時間はあったが、明らかにゲームを支配していたといえる時間帯は限定的。水戸のプレスが良かった点も考慮しなければならないが、負傷離脱している中島の不在による影響は小さくなかった。水戸はとにかく相手ボールになってから奪い返しに行く切り替えの早さが印象的だった。ボールを奪ってからの攻撃へのトランジションも早く、少しピッチへの視線を切った隙に相手陣内へ攻め込んでいる場面も少なくなかった。難しいことはやっていないが、首位に立っているのが充分納得できる試合内容だった。決勝点の1点を挙げた黒川は大宮から期限付き移籍で加わっている選手だが、裏抜けのタイミングや競り合いでのボディバランスが素晴らしい。サイドの押し上げの原動力となる岸田・志知のSBコンビや、途中出場で得点を挙げた浅野など、特徴のある選手がこんなに水戸にいたのか・・・と認識させられた試合だった。