前節、それまで首位に立っていた広島とのアウェイでの天王山を1-0で制し、開幕からのリーグ戦の無敗を「8」に伸ばして首位に浮上した東京。今節は味スタに戻り、10位・松本との一戦。今季4年ぶりにJ2から昇格してきた松本だが、直近3試合において負けが無く、決して侮れない対戦相手だ。大型連休の2日目ということもあり、大挙して押し寄せた松本サポーターの効果もあって味スタは36,412人の大入りとなった。ミッドウィークのルヴァンカップで負傷した室屋に代わり小川が右SB、太田が左SBとなった他、そのルヴァンカップで好調を維持する渡辺がJ1リーグ戦初スタメンを飾った。
前半の試合開始前、コイントスで勝利した松本はコートチェンジを選択。東京はコートチェンジされた試合であまり良い成績を残せておらず、松本に揺さぶりをかけられた形だ。前半にホーム側へ攻める東京にとっては、なるべく前半のうちにリードを奪いたい状況となり、立ち上がりから東京が猛攻撃を仕掛ける。2分、いきなり永井が抜け出してシュートチャンスを作るものの、序盤のチャンスはこの場面くらい。その後は人数をかけて自陣を固める松本に対し、ボールを「持たされる」展開となる。東京は相手のカウンターも警戒してか、慎重にボールを繋ぎながらチャンスを窺うが、なかなかボールに触れる機会のないディエゴが中盤に下りてくる影響で、強力なディエゴ・永井の2トップの距離感がやや広がってしまう形。押し気味に試合を進めながらも、スコアレスのまま前半の終盤を迎える。しかし、このままHTに突入かと思われた44分、東京は中盤の守備で渡辺が激しいプレスからボールを奪うと、そのこぼれ球を拾った久保が中央をドリブルで運び、最後は永井に絶妙なスルーパス。これに抜け出した永井がGKとの1vs1をゴール右隅に流し込み、前半終了を目前にして東京が1点を先制。理想的な形でリードを奪いHTを迎える。
リードを奪ったことでやや余裕の生まれた東京は、後半に入ってもコンスタントにチャンスメイク。15分に右サイドからPAに侵入した久保が狭い角度ながら左足でファーサイドを狙ったシュートは、ポストに阻まれてゴールならず。3分後の18分にはゴール正面でボールを受けたディエゴがDFをかわして右隅に決定的なシュートを放つが、これもGK・村山がスーパーセーブを見せ、追加点を奪えない。守備でリズムを掴んだ松本は、その後にサイドから滞空時間の長いクロスをゴール前に集めてスクランブルを作ろうとするが、東京も何とか弾き返して耐える。すると76分、東京は途中出場のジャエルがディエゴとのワンツーからPA内に攻め込み、こぼれ球を拾った久保が倒されてPKの判定。このPKをディエゴが確実に決め、リードを2点に広げることに成功した。終盤の84分には自陣でのボールロストから田中のクロスを途中出場の永井に頭で合わされるが、林が防ぎゴールを死守。結局東京が2-0のシャットアウトで勝利。負傷者などやや難しい台所事情を抱えながら、代わりに出た選手の活躍で勝利した東京が開幕からの無敗を「9」に伸ばし、首位の座をしっかりと守り切った。