関東大学リーグ2部は開幕2試合を消化し、平成から新元号・令和への改元に伴う大型連休期間中の連戦に突入。開幕2連勝を飾って波に乗りつつある慶應大は、ここまで1勝1敗の日体大との対戦。どちらも1部復帰のために勝利を狙いたい試合だ。会場のShonanBMWスタジアムは4月下旬とは思えないような寒さに加え、やや強めの雨が降る厳しいコンディション。開放されたメインスタンドには屋根下に多くの立ち客が出るほど、まずまずの入りとなった。
試合の均衡は開始早々に崩れる。5分、日体はボールを奪ってからの速攻でゴール正面のFKを獲得すると、キッカーの伊藤が放ったシュートが直接ゴール右隅に決まって1-0。セットプレイで幸先よくリードを奪う。最高の入り方をした日体は、その後も中盤で厳しいプレスを敢行し、慶應に全くペースを握らせない。サイドに追いやられてなかなかボールを落ち着かせられず苦しむ慶應だが、前半の残り時間が少なくなるにつれて日体の中盤のプレスの強度も徐々に落ちていき、1トップでスタメンとなったピーダーセンのポストプレイを生かす場面などが増えていく。すると、日体の1点リードでハーフタイムを迎えるかと思われた45分、左サイドを縦に突破した橋本のクロスにファーサイドから走りこんだ佐藤が頭で押し込み1-1。これ以上ない時間帯に慶應が同点に追いつき、前半を終える。
後半の立ち上がりは慶應がボールを持って逆転を狙うが、日体も中盤の守備を引き締めなおしてボールを刈り取る場面が増加。試合は再び膠着した展開となる。やや手詰まり感の漂いはじめた慶應は、62分に最初の交代カードで松岡を2列目に投入。これが覿面の効果を発揮する。67分、慶應は松岡が中央でボールを持って敵陣に仕掛けて日体の守備を押し込み、左サイドへ展開。フリーで受けた橋本がクロスを上げると、中央に位置を取っていた山田がヘディングで合わせ、ゴール右隅に決まって1-2。松岡投入というベンチワークが見事に的中した形で、慶應が逆転に成功する。勢いづく慶應は76分のロングカウンターのチャンスを松岡が外すなど、チャンスを生かしきれない場面もあったが、81分には右CKに八田がヘディングを決めて1-3とリードを広げ、勝利を大きく手繰り寄せた。残された時間は日体が攻める時間が続いたが、手堅い5バックで自陣を固めた慶應が隙を見せず、1-3のままタイムアップ。先制を許す難しい試合展開ながら、中央を起点に両サイドも幅広く活用した慶應が鮮やかな逆転勝ちで開幕3連勝を飾った。日体は試合の立ち上がりこそ良い入り方ができたが、中盤での守備の強度が徐々に落ちたことが敗戦に繋がった。