前節、ホームで清水を2-1の逆転で破り、7試合を終えて4勝2分の勝点「14」に伸ばした東京。首位・広島とは勝点で並んでおり、この首位争いについていくためには勝点を落とすわけにいかない重要な試合が続く。今節はホーム・味スタでの連戦となるが、迎え撃つ相手は現在6位の鹿島。鹿島も現在は勝点を「11」としており、もし敗れると一気に勝点で並ばれるという重みのある試合だ。前日まで残券ありの席種が多かった味スタのチケットは直前に売れ行きが急激に伸び、完売の席種が続出。蓋を開けてみれば38,414人の大入りとなった。大観衆の注目を集める中で勝点を積み上げるのはどちらか。
試合の入りは東京が積極的に前へ出る展開。均衡はあっという間に崩れる。5分、東京は右サイドのクロスのこぼれ球が左サイドに流れたところを髙萩が繋ぎ、パスを受けた小川が再びクロス。これにゴール正面の永井が完全にフリーな状態で頭で合わせて1-0。早々に東京が1点を先制する。立ち上がりから守備に乱れが出た鹿島も、試合のスピードアップに乗じて反撃に出ようとするが、その勢いを東京が凌駕する。16分、鹿島の攻撃を食い止めたこぼれ球を久保が拾い、左足でクリアに近い浮き球の縦パスを送ると、これを永井が拾ってドリブル開始。永井の仕掛けに合わせて裏へ走ったディエゴへパスを通してゴール前に持ち込むと、ディエゴがマークについた町田を冷静にフェイントで制し、ゴール右隅にフィニッシュ。東京がリードを2点に広げる。なおも東京の勢いは止まらず、29分、再び久保の自陣でのクリアボールを受けたディエゴが見事なトラップから相対する町田を完全に抜き去り、GKと1vs1。これも冷静に流しこみ、スコアは29分にして3-0。鹿島が前半30分までに0-3とされるのは史上初という記録に残るゴールラッシュで、東京が試合の大勢を決める。
後半に入ると、鹿島は前半終了間際に投入した三竿、そしてHT明けから投入した安部が中盤で存在感を発揮。徐々に鹿島がボールを持つようになると、風雲急を告げる場面が55分に訪れる。左サイド深いエリアでの伊藤のボールキープから中央のレオシルバへ繋ぐと、レオシルバが振り抜いた強烈な右足から放たれたミドルがゴール右隅に転がり込み、スコアは3-1。目の覚めるような一撃で反撃の狼煙を上げた鹿島が攻勢に出る。東京は防戦一方となり、58分に三竿、64分に伊藤と決定的なシュートを撃たれるが、いずれも林がストップしてゴールを許さず、一気に鹿島へ傾いた流れを食い止める。攻撃の手を緩めないために途中交代で送り出したジャエルや大森へ思うようにボールが入らず、後半の東京はほとんどチャンスを作ることができなかったものの、中盤より後ろの堅い守備がしっかり耐え抜き、傷口を最小限にとどめることに成功。3-1でタイムアップとなり、東京はリーグ戦の無敗を更に伸ばして4勝3分の勝点「17」。次節、広島とのアウェイでの天王山に向けて大きな弾みとなる1勝を挙げた。