J2の第7節は、4/3に行われた前節から中3日での開催。詰まった日程の中、各チームの選手起用もポイントとなる一戦だ。今節ホームで戦う町田は、現在3勝4敗と負けが先行しており14位。昨季のリーグ戦で3位に食い込んだ勢いを見せられていない状況。今節は、前節までスタメンが続いていた中島がベンチスタート。今季補強した富樫と鄭充根の2トップで試合に臨む。一方の甲府は、ここまで7試合を終えて4勝3分の負け無し。水戸・柏と勝点「15」で並んでいるが、得失点差で首位に立っている状況だ。今季は福岡への期限付き移籍から復帰したドゥドゥに加え、徳島から補強したウタカが前線で強烈な存在感を見せており、この2人だけで計7得点を叩き出している。今節はウタカがスタメン、ドゥドゥはベンチスタートとなった。
前半、立ち上がりこそ町田がやや押し込む構えを見せたが、甲府も5バックの守備でそれを跳ね返す。甲府はボールを奪ってからは早めにウタカへボールを預けようとするが、町田も執拗なマークでウタカに前を向かせない。互いに守備が安定しており、ゴール前でチャンスになる場面は少ないものの、中盤では球際で激しい当たりが何度も見られ、甲府は佐藤(和)が前半でベンチに退くなど、フィジカル的に消耗の激しい内容が続く。膠着状態のままスコアレスで前半終了かという空気の漂い始めた44分、町田は左サイドの深い位置でボールを持った鄭充根がDFを背負う厳しい体勢ながら左足でクロス。これをファーサイド寄りの位置で受けた戸高が胸トラップから素早くシュートに持ち込み、これが決まって1-0。前半終了間際にサイドを起点にした得意の形から町田が先制し、ハーフタイムを迎える。
後半に入っても当たりの激しい試合内容は変わらず、甲府は60分にベンチスタートだったドゥドゥを投入。ウタカ・ドゥドゥ・バホスの「トリデンテ」で町田を攻め続ける。後半の立ち上がりはそつなく守っていた町田も徐々に選手間の距離が空くようになり、終盤は甲府が一方的に攻め立てる試合内容に。76分、甲府は佐藤(洸)を投入し、ウタカと佐藤(洸)の2トップ、両サイドにドゥドゥとバホスを配する超攻撃的な4-4-2にシステム変更し、更に攻勢を強める。そして80分、佐藤(洸)のポストプレイからフリーでボールを受けたドゥドゥがPA外から強烈なミドルシュート。これはGK・増田が何とか弾くものの、正面にこぼれたボールに詰めていたウタカがねじ込み、遂に甲府が1-1の同点に追いつく。一気に逆転を狙いたい甲府は、直後の81分にドゥドゥが左サイドからドリブルで切れ込んで再びフィニッシュまで持ち込むが、シュートは僅かに枠の右に外れ、逆転ならず。その後はやや落ち着きを取り戻した町田もマイボールを丁寧に保持して甲府の流れを食い止め、1-1で試合終了。後半のドゥドゥ投入、更に佐藤(洸)の導入&システム変更という2段構えの切り札で流れを引き寄せた甲府がシーズン無敗をキープ。町田も中島のベンチスタートを富樫と鄭充根がカバーする働きを見せるなど、収穫あるドローとなった。