昨季まで採用されていた2ステージ制が終了し、通年のホーム&アウェイによる全30試合の方式に戻された今季のJFL。昨季に年間6位で終えた東京武蔵野シティFCは、この第2節に本拠地・武蔵野陸上競技場での今季最初の試合を迎える。先週に西が丘で行われた開幕戦では流経大ドラゴンズ龍ケ崎を1-0で下しており、更に今節から第4節まで武蔵野陸上競技場でのホームゲームが3試合続くだけに、ここで出来るだけ勝点を積み上げたいところ。迎える相手は、昨季年間8位の奈良クラブ。J3参入のために株式会社化するなど、運営面でも強化を図って迎えた今季だが、開幕のヴィアティン三重戦(H)は0-1で敗戦。まずは今季初勝利を飾りたいところだ。「ムサリク開幕戦」と銘打たれたこの試合、ホーム側だけでなくアウェイ側スタンドにも多くの奈良サポーターが駆け付け、観客は1,420人となかなかの入り。
前半は互いに様子見の色濃い内容。武蔵野は後方から中盤にかけて横にボールをずらしながら縦に仕掛けるチャンスを窺い、サイドも多く活用。28分、鈴木が右サイドを突破し鋭いクロスを入れるが、中央に走りこんだ澤野には僅かに合わず。39分にはDFラインの裏に出たボールに石原が追いついてヒールでフリーの鈴木に落とし、ダイレクトで中央にクロス。水谷のフィニッシュはゴール左に外れて先制はできないものの、少ないチャンスで着実にゴールへ迫る。一方の奈良は武蔵野よりも丁寧にパスを回して相手陣内に攻め込むものの、基本的には武蔵野の4-4ブロックの外で様子を窺う形。時折中央の懐にボールが入るものの、厳しいプレスを前にボールを押し出されてチャンスを作れず。拮抗した内容のまま前半は0-0で終了する。
後半、先に動いたのは奈良。ハーフタイム明けから2枚の交代カードを切り、中盤の山田を前線に上げた3-4-3にシステム変更。藤井・島田の近くで山田が自由に動く形にすることで、前線でボールを拾う形を狙う。一方の武蔵野は、DFラインの4人が距離を詰めて中央を固めることで奈良の攻撃陣にスペースを与えず。互いにミドルシュートやセットプレイからゴール前に迫る場面は作るものの、なかなか決定的な場面が生まれず、スコアレスのまま試合は終盤に差し掛かる。均衡が崩れたのは78分だった。武蔵野の中盤から前線へのアバウトなロングボールに石原が競り合うと、奈良のDFラインが高いバウンドのこぼれ球の処理にもたつく間に水谷がボールを奪い、そのまま中央をドリブル突破。GKとの1vs1をゴール左隅に叩き込み、終盤で武蔵野が先制する。直前の選手交代で本田を投入したことにより、サイドから中央へポジションを移していた采配が見事に的中した形となった。その後も奈良がボールを持って攻め込む場面が続いたが、自陣をしっかり固めてスペースを埋めた武蔵野の前にフィニッシュへ持ち込むことができず、試合終了。手堅い守備と効率の良い攻撃を見せた武蔵野が開幕戦に続く1-0のクリーンシートで連勝を飾った一方、奈良は後半のシステム変更も効果なく、開幕2連敗となった。