前節、ホーム開幕戦を終盤の2得点で制し、開幕3試合で勝点「7」を積み上げた東京。順位も2位に浮上し、上々のシーズン滑り出しとなっている。第4節は、ホーム・味スタでの連戦。迎える相手は開幕3連勝で単独首位に立つ名古屋だ。J1復帰初年度の昨季は残留争いに巻き込まれたものの、今季も積極的に選手を補強。ここまではそれが見事に噛み合っている状況だ。東京は勝利すれば逆転で首位に浮上する可能性のある重要なゲームであり、一方で、昨季途中に東京から名古屋へ移籍した丸山と、オフシーズンに同じく電撃的な移籍を果たした米本にとっては、慣れ親しんだ味スタに「対戦相手」として初めて乗り込む試合。何かと注目ポイントの多い一戦だ。
この試合最初のビッグチャンスは4分、東京は中盤でのボール奪取から中央でボールを持った東がDFラインの隙間で動き出しを見せた永井へ絶妙なスルーパス。初速で勝る永井が完全なフリーで抜け出すものの、GK・ランゲラックの素早い飛び出しもあり、シュートはゴール右に外れてしまう。名古屋も16分に東京ゴール前へ攻め込み、左サイドからのクロスのこぼれ球をシャビエルが押し込むが、林が好セーブを見せてピンチ脱出。互いに集中した守りを見せる。東京はディエゴが中盤に下りてボールを収める試みに対し、中盤で米本などに厳しくアプローチされることもあり、前線で永井がDFラインの隙間や裏のスペースを狙う動きを生かした攻撃が増加。38分には右サイドでボールを収めた永井を起点に、PA内に侵入した髙萩の折り返しを東がダイレクトで撃つが、シュートは枠の右。名古屋はボランチの一角であるシミッチが攻撃の起点となり、シャビエルのサイドからの崩しやジョーに収めての強引なフィニッシュへ繋げるが、東京も粘り強い守備を続けて先制を許さず、0-0でハーフタイムを迎える。
後半、名古屋は今季大宮から新加入のマテウスを右サイドハーフに投入し、ジョーとシャビエルの2トップにスイッチ。より高い位置での攻撃の圧力を強める姿勢を見せる。それでもなお膠着気味の時間が続く中で迎えた59分、東京は中盤で名古屋のパスワークをカットすると、東が名古屋DFラインの隙間にいた永井へスルーパス。これに反応した永井が一気に裏のスペースへ抜け出すと、速いドリブルで一気にゴール前へ持ち込み、ランゲラックとの1vs1を制してゴール。東京がワンチャンスを決め、1-0とゲームを動かす。今季初めて1点を追う展開となった名古屋は、66分に切り札の相馬を投入。左サイドのやや内寄りの位置に置き、右SBに位置転換した和泉と左SBの吉田を高い位置へ押し上げて総攻撃体制に出る。東京は前線からチェイスを仕掛ける守備から、自陣でコンパクトなブロックを作る守備に移行。名古屋は狭いエリアの中でもパスを通そうとしてきたが、最後までDFラインが跳ね返し続け、簡単にシュートへ持ち込ませなかった。結局1点差のまま試合はタイムアップを迎え、開幕3試合で9得点の名古屋攻撃陣を東京が無失点でシャットアウト。勝点でも名古屋を抜いて「10」に伸ばし、まだ第4節ながら東京が暫定首位に浮上した。