開幕節をアウェイ・愛媛で戦い、0-0のドローで終えた千葉。エスナイデル監督が就任3年目を迎え、悲願のJ1復帰に向けて重要なシーズンだけに、フクアリに戻ってのホーム開幕戦で今季初勝利を狙いたいところだ。新加入のアランやクレーベを含め、J2で出場可能な外国籍枠「4」を使い切るスタメン起用となった。対する新潟は、開幕節の京都戦(A)で千葉と同じく0-0のドロー。昨季途中から指揮を執る片渕監督の下、アウェイでの連戦だが早く勝点「3」を積み上げたい。フクアリの天気は生憎の雨と寒さに見舞われたが、完売となったビジター席を含めて12,441人の観客を集めての試合となった。
千葉はスタートから4-1-2-3のアンカーを置くシステムで試合に臨むものの、前半の立ち上がりは新潟の中盤の守備がこれを完全に抑える展開。新潟の中盤の要となるカウエが目を光らせる中、運び役の堀米がなかなかボールを触れず、膠着した時間が続く。均衡が破れたのは30分。中盤の戸嶋のプレスから新潟がボールを奪うと、こぼれ球を拾ったフリーの田中がPA外から右足を振り抜く。強烈なミドルシュートがゴール右上隅に突き刺さり、新潟が1点を先制。千葉は機能していなかった4-1-2-3のシステムを諦め、船山がトップ下の4-2-3-1にシステムを変更して立て直し。前半の終盤は船山の所でボールが収まるようになるが、ゴールまでは至らずに前半を終える。
後半に入ると、千葉は船山を再びサイドに戻し、アランとクレーベの2トップに変更。前線のポイントになるクレーベのサポート役を付けて同点にするチャンスを窺う形だったが、中盤からなかなか良いボールが出てこず、新潟リードのまま時間が過ぎていく。新潟は早い時間帯に2トップを運動量の多い渡邉と矢野に代えていたが、これが奏功したのは70分。中盤からDFラインの裏に出たボールを矢野が拾ってPA内に侵入すると、渡邉を中継してゴール前に詰めてきた高木がラストパスを冷静に決め、0-2。千葉も直後にCKから増嶋が決めて1点を返し、完全に押されムードだったフクアリの雰囲気にもう一度火をつけたものの、終盤の89分には中盤の競り合いからDFライン裏にこぼれたボールを矢野が拾ってGKとの1vs1を冷静に決め、勝利を決定的なものにする3点目。後半ATには、柳の投入によってポジションを最終ラインからボランチに上げていた大卒ルーキーの新井が渡邉からのパスを豪快に叩き込み駄目押しの4点目。ビジター席の新潟サポーターが総立ちの歓喜に包まれる中、試合は1-4の大差で試合終了。中盤の守備と攻撃への切り替えの速さで圧倒した新潟が、大量得点で今季初勝利。一方の千葉はリスクを負って攻めた結果とはいえ、注目を集めるホーム開幕戦としては寂しい内容の大敗となった。