2019.12.14 - J1参入プレーオフ 決定戦
湘南ベルマーレ × 徳島ヴォルティス
（ Shonan BMWスタジアム平塚,13:00 ）
2019年シーズンのJリーグの締め括りとなる、J1参入プレーオフの決定戦。J1で16位に終わった湘南が、プレーオフを勝ち上がってきたJ2の徳島をホームに迎えての一発勝負に臨む。J1最終節、勝てば文句無しでプレーオフ回避だった湘南は、松本を相手に先制しながらも土壇場で追いつかれて痛恨のドロー。ラスト3戦で勝点｢5｣を積み上げながらプレーオフへ回ることになった。対するJ2･4位の徳島は、ホームの鳴門で行われたプレーオフ1回戦で甲府に1-1、2回戦で山形に1-0と堅実な試合運びで決定戦に駒を進め、2014年シーズン以来6年ぶりのJ1昇格に王手をかけ、アウェイ･平塚に乗り込む。チケットは試合前日までに完売。スタンドは文句無しの満員となった。
ドロー決着の場合は上位カテゴリの湘南が残留する規定ということもあり、前半は勝利が必須の徳島が攻める展開。中盤でボールホルダーを潰しにいこうとする湘南に対し、サイドの裏を使った長い距離のパスで相手陣内を攻め立てる。5分にスルーパスから抜け出した河田のシュート、8分にサイドからカットインした田向のシュートと徳島のチャンスが続き、スコアが動いたのは20分。左CKをファーサイドの石井が頭で折り返すと、フリーの鈴木がダイレクトボレーで叩き込んで0-1。アウェイの徳島が、主導権を握る時間帯で目論見どおりリードを奪うことに成功する。スタートから3-4-2-1同士のミラーゲームとなった構図の試合だが、徳島は1vs1の局面で常に前を向いたプレイを連続。特に2列目の野村が多くボールに触って数多く攻撃の起点となり、1トップの河田もサイドに流れながらボールを受けることで攻撃に時間を使い、守備陣の負担を軽減。前半はほぼ徳島のプラン通りといえる内容のまま、0-1で折り返しとなる。
後半、湘南はHT明けから中川に代えてクリスランを投入。攻撃に厚みが無い状況からの巻き返しを図る。すると52分、鈴木の左サイドからのクロスにクリスランがヘディングシュート。ゴール右隅を捉えたフィニッシュはGK･梶川が辛うじて弾き出し、どうにかゴールを守ることに成功するが、クリスランにボールを預ける湘南へ傾く流れを徳島は止められない。すると64分、湘南は左サイドを山﨑がドリブルで攻め込み、中で待つクリスランへグラウンダーのクロス。マークを背負ったクリスランが意表を突くスルーでボールを流すと、こぼれ球を狙っていた松田が拾ってシュートを流し込み、1-1の同点。ホームの湘南が再びアドバンテージを得る。再びゴールが必要な展開となった徳島は左サイドに杉本を投入して攻勢を強めるが、前半と違って前線にボールを収めて時間を稼ぐポイントを得た湘南に対して有効な手を打つことができず、焦りが募る展開。最後の交代カードも後半AT突入まで切ることができず、土壇場で見せたパワープレイも決定的なチャンスには繋がらなかった。結局、1-1のまま試合終了。ドローという結果ながら、規定により湘南のJ1残留が決定した。絶対に落とせない大一番でリードを許しながら、クリスラン投入という｢プランB｣を的中させてJ1の舞台に踏みとどまった湘南は、サポーターと共に歓喜のラインダンス。一方の徳島は、先制する展開ながら追いつかれての｢ドロー敗退｣。一様に悔しさを滲ませる選手たちに対し、満員のアウェイスタンドからは労いの拍手が贈られていた。
