2019.11.30 - 明治安田生命 J1リーグ 第33節
FC東京 × 浦和レッズ
( 味の素スタジアム,14:00 )
リーグ戦は残り2試合となり、優勝争いもいよいよ佳境。東京は今節がホーム最終戦となる。前節は湘南を相手に後半ATの得点で追いついたものの、積み上げた勝点は「1」にとどまり、首位の座を横浜に譲る形となった。今節、東京が敗れて横浜が勝利した場合、その時点で横浜の優勝が確定するという後が無い状況でもある。対戦相手は現在13位と苦しい戦いの続いている浦和。未だにJ1残留を確定できていない状況とはいえ、長らく味スタで勝てていない相手だけに厳しい試合が予想される。試合のチケットは完売となり、観客は40,000人を超える大入り。最終節に優勝の望みを繋ぐことはできるか。
試合は、立ち上がりから東京がチャンスを量産。5分、6分と立て続けにディエゴが決定機を迎えるが、GK・西川が好セーブ。更に10分にも永井が抜け出してチャンスを作るが、三たび西川がセーブを見せて先制を許さない。東京へ1点もののチャンスが立て続けに訪れる中で決めることができずにいると、浦和も徐々にボールを持つ場面が増え、試合は一進一退の攻防に。東京も速攻の場面は作るものの、決定機の無い時間が続く。すると39分、浦和は右CKの流れからこぼれ球を拾った山中が得意の左足でPA外から強烈なミドルシュート。林がどうにか止めるものの、正面にこぼれたボールにすかさずマルティノスが詰めてゴールを揺らされ、アウェイの浦和が先制。東京にとっては痛恨の、浦和にとってはJ1残留に大きく近づく1点が入る。更に東京は先制を許す前に相手との接触プレーで足を痛めていたディエゴがプレー再開できず、そのまま途中交代を余儀なくされる。東京は1点ビハインドのうえ、大きな得点源を欠いて前半を終える。
後半、東京を更なる試練が襲う。永井が相手との競り合いで肩を痛めてこちらもプレー続行できず、途中交代を余儀なくされる。ここまで攻撃を牽引してきたディエゴ・永井の2トップをこの重要な局面で揃って欠くことになってしまった東京だが、68分に左CKからゴール前の混戦を生み出すと、こぼれ球を田川が押し込み1-1。ディエゴとの交代で入った田川の今季リーグ戦初得点がようやく飛び出し、タイスコアに戻す。あくまで勝点「3」を狙いたい東京は、攻撃の手を緩めずに浦和陣内へ攻め込むものの、ドローでも悪い結果ではない浦和はこぼれ球を拾いながら東京の守備を食いつかせ、上手くかわしながらボールを回す余裕のある戦い方を見せた。結局、残り時間は決定機を作れないまま試合終了。東京は勝点「1」を確保したものの、首位の横浜は川崎とのアウェイ戦を4-1の圧勝。今節での優勝決定は阻止したものの、横浜との勝点差は「3」、得失点差は「7」に広がった。逆転優勝の可能性は風前の灯ともいえる状況となったが、ホーム最終戦セレモニーでキャプテンの東は「まだ諦めてません」と宣言。最終節の横浜との決戦に向け、スタンドからは大きな拍手と歓声が起きた。