2019.09.14 - 明治安田生命 J1リーグ 第26節
鹿島アントラーズ × FC東京
( 茨城県立カシマサッカースタジアム,19:00 )
代表ウィークによる2週間のインターバルを挟んで再開となるJ1リーグ戦。前節、名古屋とのアウェイ戦を2-1で制した東京のアウェイ連戦3試合目は、現在2位を走る鹿島との大一番だ。勝点「52」の東京を追う鹿島の勝点は「49」の4ポイント差。東京が勝てばその差は一気に「7」まで開く一方、鹿島が勝利すると東京との勝点差は僅か「1」にまで接近するシチュエーションに、東京が独走態勢を築くのか、あるいは混沌の優勝争いとなるのか、今季の優勝争いの行方を左右する重要な「6ポインター」である。カシマスタジアムには27,000人を超える多くの観客が訪れ、緊張感の入り混じる雰囲気となった。
しかし、そんなスタンドの緊張感を打ち壊すように、試合のスコアはキックオフ直後に動く。2分、鹿島はレオシルバの右CKにブエノが走り込んでヘディング。このシュートがゴール左隅に決まり、早くも鹿島が先制。セットプレイで早々にリードを許す展開となってしまった東京は、永井をDFラインの裏に走らせ、ロングパスを使ってスペースで勝負を仕掛けるが、鹿島もブエノがフィジカルで走り負けずに対応し、東京にチャンスを与えない。その後も試合の主導権は鹿島が握り続ける。21分に東京の不用意なロストから速攻を仕掛け、三竿がシュートに持ち込む場面を作ると、23分には左CKを再びブエノがヘディングで合わせるが、強く叩きつけてバウンドしたシュートは枠上に外れ、東京は助けられる形。前半の終わりにかけては東京が少しずつポゼッションを回復するが決定機には至らず、概ね鹿島が試合をコントロールした内容で1-0のまま前半を終える。
後半は一転して東京が押す展開。49分、呉宰碩のクロスの折り返しを正面でフリーのディエゴが頭で狙うが、当たりが弱くGK・權純泰がセーブ。51分には永井がこぼれ球を拾ってドリブルを仕掛け、東が抜け出してGKと1vs1の場面を迎えるが、パワーシュートは權純泰の正面を突いて弾かれてしまう。その後も56分に髙萩のラストパスを永井がシュート、60分に永井のPA侵入からの折り返しを室屋がシュート、64分に永井がドリブルでPAに侵入・・・と絶好のチャンスを再三作り出すが、いずれも決めきることができない。すると78分、鹿島は右サイドに開いたレオシルバを起点に、名古を経由して中央でフリーになっていたセルジーニョが左足のミドルシュート。これがゴール左隅に突き刺さり2-0。勝利を大きく手繰り寄せる追加点を挙げる。この直前に2トップをジャエル・田川のコンビへスイッチする準備をしていた東京にとっては痛恨の失点となった。残された時間も東京が攻撃を続けたものの、リードを広げて余裕の出来た鹿島が最後まで安定した守りを見せ、2-0のまま試合をクローズ。セットプレイによる先制点で掴んだ流れを手放さず、要所を押さえて逃げ切る勝負強さを見せつけた鹿島が天王山を制し、東京との勝点差はいよいよ「1」となった。先手を取られた東京は後半に速攻からチャンスの場面を作ったが、その時間帯でゴールを奪えなかったことが敗戦に直結した。