2019.09.04 - Jリーグ YBCルヴァンカップ 準々決勝 第1戦
川崎フロンターレ × 名古屋グランパス
( 等々力陸上競技場,19:00 )
プレーオフステージを勝ち上がった4チームと、ACL出場のため準々決勝からの登場となる4チームの計8チームによって行われる、ルヴァンカップ・準々決勝。ACL組の川崎は、グループ2位からプレーオフを勝ち上がった名古屋をホームに迎えての第1戦。リーグ戦では両チーム共に直近の成績は芳しくなく、川崎は6戦連続勝ち無し、名古屋も直近10試合でわずか1勝と苦しんでいるだけに、カップ戦で勢いを取り戻したいところだ。日程面では川崎の中2日に対し、名古屋が中4日とやや分がある状況。また、ルヴァンカップではこの準々決勝からVAR(ビデオアシスタントレフェリー)による映像判定が国内で初めて導入され、ジャッジにも注目が集まる試合だ。
試合は立ち上がりから川崎が圧倒的に攻め込む展開。ハイラインを敷いて高い位置から圧力をかけようとする名古屋だが、川崎は慌てず冷静に裏のスペースを使う。12分、守田の裏へのボールに長谷川が抜け出しかけた場面は、PA目前で宮原がファウルで食い止める。この至近距離の直接FKは決められなかった川崎だが、直後の15分、今度は車屋の裏へのパスに反応した知念がGK・武田をかわしてシュートをゴールへ流し込む。最初は村上主審がオフサイドの判定でゴール取り消しとなるが、直後にVARによるジャッジで知念のオンサイドが確認され、川崎の得点が認められることに。さっそくのVARによる判定でホームチームが1点を先制する。その後も川崎の攻勢は続き、攻守共に安定しない名古屋は前半のうちにプラン変更。31分にベンチスタートとなっていたジョーを早くも投入。システムも3-4-2-1から4-2-3-1へ変更し、1トップのジョーを狙ったロングパスを増やしてアウェイゴールを狙うが、前半はこのまま0-0で折り返す。
後半は一転、名古屋がリズムを掴む。開始早々の47分、PA内に侵入したジョーがハーフスペースから折り返すが、前田のシュートはDFが何とかブロック。58分、CKの流れから攻め残っていた中谷がPA左隅付近からコントロールシュートを狙うが僅かに枠の上。直後の60分には右サイドのシミッチのクロスに再び中谷が飛び込み、強烈なヘディングシュートを放つが、これもGK・新井がセーブでCKに逃げ、ゴールを許さない。すると、このCKのこぼれ球を拾ったレアンドロが抜け出して一気に相手陣内へドリブル。一緒に攻め上がった脇坂へラストパスを送ると、脇坂がしっかりとシュートを叩き込み、2-0。苦しい時間帯のロングカウンター発動により、川崎がリードを広げることに成功した。攻撃でリズムを掴みながら追加点を許してしまった名古屋はこれで流れを手放してしまう形。日程に余裕がある分、試合終盤のスタミナで上回ることも期待されたが、阿部と小林を同時に投入して前から圧力をかけてきた川崎に対して自陣に戻っての守備の時間が続き、逆に「走らされる」格好。結局、2-0のまま試合終了。攻守にわたり常に先手を打ち、相手に隙を与えなかった川崎が、クリーンシートで先勝。第2戦だけでなく、リーグ戦にも良い影響のありそうな完勝だった。一方の名古屋はアウェイゴールを奪えず手痛い敗戦。準決勝進出はかなり厳しい状況になってきた。