2018.11.17 - 関東社会人サッカー大会 準決勝
品川CC横浜 × Criacao Shinjuku
( 味の素フィールド西が丘,13:30 )
首都圏の各都県リーグの上位チームによって行われる関東社会人サッカー大会。準決勝・第2試合は、共に激戦区の神奈川県1部と東京都1部で上位に食い込んだチーム同士の顔合わせとなった。神奈川県1部の品川CC横浜は、リーグ戦18試合を13勝4分1敗という圧倒的な成績で優勝。大学や社会人の全国リーグ経験者を多く擁しており、関東2部昇格の有力候補のひとつだ。一方の品川CCは、県リーグらしからぬスタンドの応援で選手を後押し。ゴール裏だけでなく、メインスタンドの観客にも応援用のビニール袋を配布するなど、念願の関東2部昇格に向けて雰囲気を盛り上げる。一方のCriacaoもメインスタンドにファンが集まり、試合への注目度の高さを窺わせる。
前半は立ち上がりからゲームスピードの早い入り方となり、緊張感のある展開。品川CCは寄せの早い守備でCriacaoの組み立てを無効化しようとする一方、Criacaoは増田・岡本の2トップへシンプルに放り込んでチャンスを窺う。明確にどちらの流れともいえない一進一退の攻防が続く前半だが、Criacaoは32分に岡本がゴール前で競ったこぼれ球を石川がダイレクトでシュート。惜しくもゴール左ポストに弾かれるが、狙いどおりの形でチャンスメイク。一方の品川CCも前半ATに左サイドの田中が持ち味のドリブルから友澤(貴)のフィニッシュに繋げるなど、カウンターを繰り出す形。互いに単発のチャンスはあるものの、スコアは動かず。0-0で前半が終了する。
後半に入り48分、品川CCは飯沼の放ったシュートがGK・村下のセーブでコースが変わり、ゴール左ポストに当たって外れるいきなりのビッグチャンス。このまま品川CCの流れで進むかと思われたが、その後はCriacaoが流れを掴む。前半に中盤の厳しいプレスに遭い、なかなか仕事させてもらえなかった石川が組み立ての起点となる場面が増えたことで、徐々にCriacaoの支配ムードとなっていった。やや押され気味になってきた品川CCは、63分に2人同時交代。投入した岡・岩壁の2人を左右のSBに配置し、押され気味のサイドに蓋をする。これによってCriacaoの攻撃がやや手詰まりになると、今度はCriacaoが立て続けに選手交代。78分には増田・岡本の2トップを一斉に替え、前線の活性化を図る。そして0-0で迎えた終盤、再びビッグチャンスを迎えたのは品川CC。87分、途中出場の杉山が左サイドを崩し、中央へのグラウンダーのクロスに完全なフリーで飛び込んだのは友澤(剛)。1点ものの決定機だったが、至近距離からのシュートはGK・村下が身体を張ってセーブし、ゴールを割らせない。互いに守備が堅く、このまま0-0で延長戦かという空気の漂い始めた中、Criacaoは後半ATに攻め込んで右CKを獲得。すると、ファーサイドに抜けてきたCKを石川が押し込み、土壇場でCriacaoが先制。実質上試合を決める一発となり、石川を中心にピッチサイドに歓喜の輪が生まれた。リスタートから間もなく試合は終了し、0-1でCriacaoが準決勝進出。関東2部昇格および入替戦出場を確定させた。一方、終盤の決定機を決めきれず、最後にセットプレイに泣いた品川CC。激戦区の神奈川県1部で優勝しながら昇格に失敗するというショックの大きい敗戦となったが、ゴール裏のサポーターからは労いの拍手が選手に送られていた。