2018.11.17 - 関東社会人サッカー大会 準決勝
東邦チタニウム × 足利御厨UNITED
( 味の素フィールド西が丘,11:00 )
首都圏の各都県リーグの上位チームによって行われる関東社会人サッカー大会は、準々決勝から2週間のインターバルを置き、いよいよ準決勝。準決勝の勝利チームは、関東2部に昇格(JFLからの降格チーム次第では入替戦出場)することができる。味の素フィールド西が丘で行われる準決勝2試合のうち第1試合は、神奈川県1部の東邦チタニウムと、栃木県1部の足利御厨UNITEDの一戦。東チタは長きに渡り関東リーグに所属していた実力のあるチームだが、2017年シーズンに関東2部で9位に沈み、県リーグに降格。しかし今季のリーグ戦で2位に食い込み、早くも関東リーグ復帰のチャンスを獲得。準々決勝では今大会の優勝候補だった東京都1部の南葛SCを1-0で撃破した。一方の足利御厨UNITEDは、準々決勝で埼玉県1部の王者・TIUを相手に1-1でPK戦に持ち込み、撃破。攻撃のオプションは少ないが、粘り強いサッカーで勝ち上がってきている、侮れない相手だ。
前半はこれといった決定機が生まれない堅い内容。14分に東チタの右CKから中央の川崎が合わせたシュートがクロスバーに当たって外れる場面があったが、得点が近づいた場面はこの一度くらい。足利御厨は準々決勝と同様、前から積極的にボールへアタックし、こぼれ球を拾ったら前線の三田(尚)へボールを集めるシンプルな形。一方の東チタは速攻もありつつ、中盤で素早くパスを繋ぐ「地上戦」も織り交ぜながら攻撃を作っていく。特に東チタは4-2-3-1の両SHが中に絞って組み立てに関与する場面が多く見られ、自陣に押し込まれた足利御厨は徐々に跳ね返すのが精一杯の守備になっていったが、それでも守備が崩壊することはなく、0-0で凌いで前半を折り返す。
後半は開始直後からハイテンションな攻防。開始早々の46分、東チタはいきなり川崎がPA内で抜けだしてフリーとなるが、角度を切ったGK・上園がシュートをストップ。足利御厨は56分に自陣でボールを奪ってのカウンターから三田(尚)がドリブルで攻め込むが、中央左寄りからゴールのファーサイドを狙った右足シュートはGK・内藤がスーパーセーブ。10年以上に渡りJクラブを渡り歩いた大ベテランの守護神が立ちはだかり、足利御厨がこの試合最大のチャンスを逃す。これ以降は、カウンターを受けるリスクを抱えながらも攻撃のバリエーションで上回る東チタが徐々にギアを上げていく展開。72分、東チタはゴール前に放り込んだボールに対して混戦を作り、こぼれ球を拾って何度もフィニッシュを狙うが、足利御厨はゴールライン上でのクリアなど人数をかけた決死の守備でピンチ脱出。それでも84分、東チタは左サイドでのボールキープから逆サイドへ展開すると、再三に渡りチャンスに顔を出していた川崎がボールを受けて縦に突破。折り返しを途中出場の西尾がダイレクトでゴール右隅に流し込み、試合終盤で東チタが1点を先制。これが決勝点となり、1-0で東チタが勝利。サイドだけでなく中にも人数をかけることのできる攻撃の引き出しの多さで上回った東チタが決勝進出を決め、関東2部への復帰(もしくは入替戦出場)を確定させた。足利御厨は徐々に守勢を強いられる中で粘り強く戦ったが、終盤に力尽き、ベスト4敗退となった。