2018.11.11 - 明治安田生命 J2リーグ 第41節
栃木SC × 松本山雅FC
( 栃木県グリーンスタジアム,14:00 )




 J2は残すところ2試合となり、大混戦のJ2優勝・J1昇格争いはいよいよ大詰め。第40節を終了した時点で首位に立っている松本は、17位・栃木のホームに乗り込んでのアウェイ戦を迎えた。先立って行われた勝点「1」差の2位・大分と勝点「2」差の4位・横浜がいずれも勝利を収めたため、今節でのJ1昇格確定はならないものの、最終節を少しでも優位な状況で迎えるため、アウェイながら絶対に勝利が欲しい。一方の栃木は、第29節の福岡戦以来、ホームでは5戦連続勝ち無し。直近10試合のうち2勝と秋場以降苦しい戦いが続いている。栃木は横山監督の今季限りでの退任が発表されたばかり。2年前にJ3降格の憂き目に遭ったチームを再びJ2に復帰させた指揮官のホーム最終戦の采配を勝利で飾りたい。グリーンスタジアムには栃木サポーターが多く駆け付けただけでなく、J1昇格を心待ちにする松本のサポーターも大挙して駆けつけ、10,000人を上回る大入りとなった。
 試合は栃木のアグレッシブな守備が目立つ展開となった。松本がボールを持つ場面では中盤から積極的にプレスをかけ、特にボランチのヘニキが前に出てボールを狩る動きを見せると、2シャドウの浜下と西谷(和)はサイドに多く顔を出して松本に攻め手を与えず。かたやボールを奪うとサイドから攻め上がり、クロスを入れて中で合わせる形を狙う。栃木の守備に手を焼き、立ち上がりはやや後手に回った感のあった松本だが、試合が落ち着くと中盤で奪い返す場面も増え、チャンスの数を増やしていく。37分には左サイドでのキープからPA内に入った岩上にボールをつけ、岩上のコントロールしたシュートはGK・竹重が何とかセーブ。43分にも松本がCKから高崎がヘディングで合わせるが、再び竹重が防いでゴールを割らせず。目立つチャンスは松本の方が多かったが、栃木の守備も想定内の対応ができているように感じられる一進一退の内容で前半を0-0で終了する。
 後半も両チームの守備が堅く、スコアは動かず。松本はスピードのある前田や、競り合いに強い高崎が前線で脅威となるが、栃木もサイドから押し返して一歩も譲らず、時間が過ぎていく。なかなか相手を押し込みきれない松本にとっては、大分に首位の座を明け渡してでも手堅く勝点「1」を持ち帰るか、多少リスクを冒してでも勝点「3」を狙いにいくか、微妙な判断を迫られる時間になろうとしていた。しかしその矢先の72分に均衡が崩れる。松本は中央から左の石原へボールを展開すると、石原はマークに付かれながらも縦に仕掛けて深くまで切り込み、中へグラウンダーのクロス。これに反応したのは、逆サイドから中に絞って待っていた田中。ダイレクトでボールをゴール右隅に流し込み、試合終盤に差し掛かるところで松本が大きな先制点をゲットする。このまま終われない栃木は反撃を開始。サイドから速いボールのクロスを入れ、78分には左クロスに大黒が合わせる決定的な形を作るが、シュートはGK・村山の正面。その後も栃木が迫力のあるパワープレイを仕掛けて再三松本ゴールに攻め込むものの、ここまでJ2最少失点を保ってきた松本の守備は最後まで崩れなかった。劣勢を強いられていたサイドでの思い切った仕掛けから虎の子の1点を奪い、これを守り切った松本が0-1の大きな勝利。最終節を前に首位キープに成功し、4年ぶりのJ1昇格にいよいよ王手をかけた。一方の栃木は粘り強い守備でホームチームの意地を見せたものの、数少ない決定機を決めきることができず。横山監督のホームラスト采配を勝利で飾ることはできなかったが、見応えのある試合内容だった。

栃木SC00前半01松本山雅FC
0後半1
得点72'田中 隼磨

GK 1竹重 安希彦GK16村山 智彦
DF 42パウロン DF 50今井 智基
19服部 康平 4飯田 真輝
17福岡 将太 31橋内 優也
MF 29川田 拳登 MF 3田中 隼磨
5ヘニキ 47岩上 祐三
6古波津 辰希 6藤田 息吹
26夛田 凌輔 20石原 崇兆
37浜下 瑛 7前田 大然
14西谷 和希 8セルジーニョ
FW 9大黒 将志 FW 9高崎 寛之
GK33石川 慧GK21鈴木 智幸
FP 16榊 翔太 FP 5岩間 雄大
28温井 駿斗 13中美 慶哉
40寺田 紳一 17志知 孝明
41西谷 優希 18當間 建文
49アレックス 23岡本 知剛
50二川 孝広 38永井 龍
監督横山 雄次監督反町 康治
警告6'田中 隼磨
警告19'岩上 祐三
得点72'田中 隼磨
古波津 辰希77'交代77'前田 大然
アレックス岩間 雄大
浜下 瑛78'交代
寺田 紳一
夛田 凌輔83'交代
西谷 優希
交代90'セルジーニョ
中美 慶哉
主審 − 家本 政明観衆 − 11,562人
BACK