2018.11.10 - 明治安田生命 J1リーグ 第32節
FC東京 × ジュビロ磐田
( 味の素スタジアム,14:00 )
残り3試合となったJ1のリーグ終盤戦。東京は前節の横浜M戦(A)で1-0と勝利を収め、暫定でACLプレーオフ出場圏内の3位に浮上したものの、翌日に札幌が勝利、更に7日には鹿島が先立って試合を消化して勝利したため、暫定で5位に後退している。今節はホームに磐田を迎えての一戦。前節で結果を出した髙萩がディエゴの後方でサポートするシステムで試合に臨む。スタメンには森重・太田も復帰し、連勝を狙う。対する磐田は現在12位。第24節から6試合勝ち無しで勝点を伸ばせず、一時はJ2降格圏もちらついたが、直近の2試合では連勝しており、J1残留確定は目前という状況。ただし、中村・川又など主力が相次ぎ負傷離脱しており、やや苦しい陣容だ。
試合の入りは磐田が優勢に進める展開。2列目の山田・松浦が高い位置からボールにアプローチし、東京に中盤でゲームを作らせず。ボールを奪うと冷静なパス回しで様子を窺い、落ち着かせながら試合を進める姿勢を見せる。やや苦しい序盤となった東京は、中盤でシンプルにはたく組み立てで流れを引き寄せる。14分、左サイドの太田へ手早く展開し、太田の右足クロスに大森が飛び込む良い形を作ると、ここから流れを引き寄せる。29分には室屋の右からのクロスにディエゴがヘディング。シュートはクロスバーに弾かれてしまうが、着実にゴールに近づいていく。そして34分、髙萩のスルーパスで右サイドを抜け出した室屋がPA内に侵入すると、ドリブルで切り返した足を相手DFにすくわれて倒され、これがPKの判定。良い流れから先制のチャンスを得る。しかし、キッカーのディエゴがフェイクを入れながらのステップから放ったシュートは無情にも左の枠外へ外れてしまい、まさかの失敗。このまま0-0で前半を終了。夏場以降、悪くない内容の前半を過ごしながら点を取れずに後半に競り負ける形が増えている東京にとって、嫌な空気の漂う折り返しとなる。
後半に入っても依然として東京の攻勢が続く。55分、自陣でボールを奪ってから速攻で前線まで運び、最後は髙萩のラストパスをディエゴがフリーで受けるが、GKをかわしてのフィニッシュはまたしても枠の外。チャンスは作るものの、決め手に欠ける時間が続く。守勢の続く磐田は、56分に小川(航)を投入。大久保を2列目に下げて前線の厚みを増し、少ないチャンスを確実に仕留める構えを見せる。東京は焦れそうな時間が続くものの、中央でディエゴ・髙萩が一旦ボールを収めてからサイドに開くなど、段階を踏んだ組み立てをすることで安易に流れを手放さず。77分、CKのこぼれ球のスクランブルから途中出場のリンスがシュートを放つが、GK・カミンスキーの正面。83分には磐田がカウンターでチャンス。途中出場の荒木が中盤のルーズボールを拾ってドリブルでゴール前へ持ち込むが、1vs1の場面を林が止めて失点を許さない。87分、東京は再びCKからのスクランブルで度重なる押し込むチャンスを得るものの、森重と張賢秀のシュートをカミンスキーが相次ぐビッグセーブで防ぎ、最後までゴールに鍵をかけつづけた。結局、0-0のまま試合終了。主力を欠きながら守備が持ちこたえた磐田がスコアレスドローに持ち込む形となった。1点の遠かった東京は、ホームゲームに限れば8/5の神戸戦を最後に5試合連続で無得点。順位も5位から上げることができず、ACL出場権争いから一歩後退となった。ただ、得点力不足が深刻な一方で、攻撃面ではテンポの良い組み立ても増え、やや改善の兆し。守備も無失点に抑え、最低限の勝点を拾った戦い方を前向きに捉えたい試合だった。