2018.11.03 - 明治安田生命 J1リーグ 第31節
横浜F・マリノス × FC東京
( 日産スタジアム,14:00 )
J1リーグは残り4節。優勝争いでは首位の川崎が一歩抜け出した感がある中、ACL出場権争いと残留争いは混戦が続いており、予断を許さない状況だ。現在11位につける横浜Mの勝点は「38」。16位・鳥栖との勝点差は「5」となっており、安全水域まであと一歩の地点まで来ている。先週末に行われたルヴァンカップ決勝では湘南を相手に0-1と敗れ、タイトル獲得のチャンスを逃しているだけに、無念をリーグ戦で晴らしたい。対する東京はACLプレーオフ圏内の3位につけていたが、先んじて試合を行った鹿島が勝利したため、現在は暫定4位という状況。勝利で再び順位を上げたい重要な一戦だが、今節は森重が出場停止。代わりに丹羽と張賢秀が最終ラインでコンビを組み、左SBに小川、ディエゴの相棒に髙萩を起用して臨む。
先にスコアを動かしたのは東京だった。15分、ベンチスタートの太田に代わって東が右CKを蹴ると、東京の選手の密集が一気にニアへ雪崩れ込んだ頭上を越えてボールは中央へ。そこに詰めてきた張賢秀がヘディングでゴール左隅に流し込み、東京が1点を先制。自国の徴兵制度免除のための社会奉仕活動を虚偽申告したとして、韓国代表からのの永久追放という極めて重い処分を科された張賢秀だが、ゴールと同時に反対側の東京ゴール裏へ駆け寄り、最敬礼で謝罪。ゴール裏は幾度とない「ヒョンス」コールで迎え入れた。大きな先制点を手にした東京は、横浜Mにボールを保持されながらも自陣で奪い取り、速攻で対抗。35分にはディエゴが髙萩とのワンツーで抜け出しドリブルで独走するが、左足で狙ったコントロールシュートはクロスバーに弾かれ追加点ならず。横浜Mも28分に右サイドの仲川がカットインから惜しいシュートを放つなど、中に持ち込んでフィニッシュという形を何度か作るが、枠を捉えきれずに0-1のまま前半を終える。
東京は後半の頭から髙萩がベンチに下がり、東が前線にポジション変更。選手は変わっても並びは変えず、高い位置からの守備で横浜Mの攻撃を防ぐ。なかなかチャンスの糸口を掴めない横浜Mは60分に尹日録を投入し、システムを4-4-2に変更。直後の61分に左サイドのクロスからPA内でボールを受けた天野のシュートがゴールネットを揺らすが、ゴール前のポジション取りでオフサイドの判定となりゴールは認められず。天野と扇原の両ボランチがサイドに顔を出しやすくなったことで対応にやや難儀した東京だが、張賢秀と丹羽が中心のバックラインがしっかりと跳ね返し続け、森重の不在を感じさせず。要注意の仲川への対応でも、小川が耐えてチャンスを作らせず、スタメン起用に応えた。中盤では米本が得意の「狩る」仕事を見事に遂行し、横浜Mに攻撃をリズムを作らせなかった。終盤は伊藤・大津といった攻撃のカードを次々に投入し、前線の厚みを増した横浜Mだが、ゴール前の守備で激しい肉弾戦に持ち込み、ファウルを貰いながら巧みに時間を消化する東京の前に決定的な場面を作ることができず、0-1のままタイムアップ。なりふり構わぬ守備で1点を守り切った東京は2試合ぶりの勝点「3」を獲得し、ACL圏内の3位に再浮上。横浜Mは後半のシステム変更でも結果が出ず、2連敗で13位に後退した。