2018.10.22 - 全国社会人サッカー選手権大会 準々決勝
阪南大クラブ × いわきFC
（ 新浜緑地公園多目的球技場,13:30 ）
ベスト8が出揃い、地域CLへの｢全社枠｣による出場権も注目される全国社会人サッカー選手権大会の準々決勝。11:00に行われた第1試合では、2会場で｢おこしやす京都AC｣と｢FC刈谷｣が勝利。いずれも｢全社枠｣獲得の権利を持っており、第2試合の結果によって各チームの運命が決まることになる。新浜緑地公園で行われる第2試合に登場の阪南大クラブは、関西1部で3位に入ったため｢全社枠｣獲得の権利を持つチーム。昨日の2回戦では同じく｢全社枠｣狙いの関東1部･VONDS市原FCをPK戦の末に破っており、勢いを感じさせる。対するは、クラブ創設から6年目にして東北2部南までステップアップを遂げ、全社も3年連続の出場となるいわきFC。フィジカル主体の強化により、全社や天皇杯で上位カテゴリのクラブと互角の戦いを繰り広げるなど、地域リーグでも屈指の注目クラブである。いわきは｢全社枠｣獲得権利を持たないが、チームとしての実力を測るうえで重要な意味を持つ大会だけに、重要な一戦であることは間違いない。
前半の序盤は出入りの激しい展開となる。先にチャンスを得たのは阪南大。11分、GKのフィードを八田が受け、落としたボールを1トップの森山がシュートに持ち込むが、ボールはゴール左ポストを叩いて先制ならず。すると直後の12分、いわきは右サイドを崩して抜け出した金大生が折り返し、中央に詰めた早坂がシュート。GKが何とか身体に当てて防ぐが、こぼれ球を平岡がシュートし、更にブロックされたボールを再び早坂が押し込み、いわきが1点を先制。前線に人数をかけた集中的な攻撃で阪南大のゴールをこじ開ける。更に先制から間もない15分、いわきは左サイドを抜け出した早坂のクロスを中央に詰めてきた金大生がダイレクトで合わせ、これがゴール右上隅に決まって0-2。鋭いサイド攻撃の連続により、いわきが僅か4分間で2点のリードに成功する。立ち上がりのシンプルな攻撃でチャンスを得ていた阪南大だが、ビハインドの展開になった前半の中頃以降はリズムを作ることができず。中盤でボールをキープする時間が増え、保持しながら流れを引き寄せようとする意図は見えるものの、いわきの厳しい守備を前にボールを失ってしまう場面が多く、苦し紛れにサイドへ開くボールも味方と合わずない場面が散見。内容面ではいわきが圧倒的に優位な状況のまま、ハーフタイムを迎える。
後半に入っても、前半の試合内容から大きな変化のないまま時間が推移。前半ほどの守備の強度が保てなくなってきたいわきは、早い時間から交代でフレッシュな選手を起用しながら様子を見る。阪南大は左SBの藤原を前線に上げ、ロングボールを織り交ぜながら工夫した攻めを見せるが、ボールを持っても攻撃がやや中央に偏り、サイドを有効に活用することができない。いわきは攻撃の選手を入れ替え、追加点を見据えた戦いを披露。20分には左サイドの崩しからのクロスを中央の平岡が頭で合わせるが、シュートはゴールライン上で阪南大DFがブロック。阪南大も集中した守備を見せる。それでも攻撃ではこれといったチャンスを作れないまま時間が過ぎていき、点差を詰めることができないままタイムアップ。いわきが初めての全社ベスト4入りを果たし、平日にも関わらず現地に詰めかけたサポーターと共に勝利を喜んだ。敗れた阪南大は｢全社枠｣獲得権利があった中でベスト8敗退となり、地域CL出場権確保はならず。第1試合で勝利した2チーム(お京都･刈谷)に｢全社枠｣が与えられる形となった。
