2018.09.15 - 明治安田生命 J1リーグ 第26節
ベガルタ仙台 × FC東京
( ユアテックスタジアム仙台,14:00 )
国際Aマッチ週間によるインターバルが明け、2週間ぶりの開催となるJ1リーグ。現在5試合勝ち無しと苦境の続く3位・東京は、アウェイで6位・仙台との一戦に臨む。直近2試合は0-0のドローが続き、守備に関しては手応えを得られているだけに、ゴールが欲しい状況。代表に召集されていた室屋と張賢秀を除き、リフレッシュした状態のベストメンバーをスタメンに並べた。対する仙台は、チーム最多の10得点を挙げていた西村がCSKAモスクワへの移籍でチームを離れたが、直近の5試合では4勝1敗と好調を維持しており、東京との勝点差を「4」にまで縮めている。U-21日本代表のアジア大会出場のためチームを離れていた板倉が合流し、スタメンに名を連ねた。
前半は両チームの守備面の持ち味が出た内容となった。仙台は3バックが中央を固め、外から入ってくるボールを徹底して跳ね返す形。東京はボールを奪われるとすぐに厳しいチェックをかけてカウンターの起点を摘み、相手がスローダウンするとすぐにブロックを作って対応する。両チームを通じて前半の唯一ともいえる決定機は、15分に髙萩がPA外から放ったミドルシュートがゴールポストを叩いて外れた場面くらい。東京は早い時間からリスクを冒す攻撃が少なく、相手の嫌がるエリアになかなか攻め込めない。一方の仙台も、ボールを奪ってからカウンターを狙うが、東京の厳しい寄せによってファウルで試合が止まる場面が続いた。ホームのサポーターからは何度もブーイングが起きるものの、東京にとっては狙い通りの試合運び。互いに決定機がほとんど無いまま、0-0で前半が終了する。
試合が動いたのは後半立ち上がりの49分だった。仙台は自陣でのボール奪取から石原がドリブルでカウンターを仕掛け、中盤で一度は奪われかけるものの、野津田がこぼれ球を拾って右サイドでフリーの阿部へ展開。阿部がクロスを上げると、ニアでカットに入った東にボールが当たり、コースが変化。これが自陣ゴールに転がり込んでしまい、オウンゴールで仙台が先制。東京の守備に手を焼き、ここまでシュートを1本も打てていなかった仙台だが、遂にシュートを打たずしてリードに成功する。思わぬ形で先制点が生まれて以降、試合はオープンな展開に。東京は55分の右CK、62分の左FKと、セットプレイからゴール前のチャンスを立て続けに作るが、仙台の身体を張った守備に跳ね返されてゴールを割ることができず。更にリンス・富樫と攻撃の選手を投入し、横から揺さぶりをかけたいが、右SBの室屋は中を切られて得意のカットインを封じられ、左SBの太田のクロス精度も上がらず。仙台のカウンターにも苦しみ、結局決定的なシュートを放つことができずに試合終了のホイッスルを聞くこととなった。オウンゴールによる1点のみとはいえ守備の光る戦いを見せた仙台は、2連勝で4位に浮上。東京との勝点差を「1」に縮めた。一方、3試合連続無得点と攻撃が振るわず敗戦を喫した東京は、3位の座こそ守ったものの6試合勝ち無し。17,000人以上を飲み込んだユアスタの歓喜に沸くスタンドを前に、東京の選手たちは呆然と立ち尽くした。