2018.09.08 - 明治安田生命 J2リーグ 第32節
東京ヴェルディ × 横浜FC
( 味の素スタジアム,18:00 )
J2リーグは残り試合数が少なくなり、1試合ごとの重みが増してくる重要な時期。現在勝点「52」で5位につける東京ヴェルディは、勝点「55」で3位の横浜FCをホームに迎えての上位対決を迎える。東京Vは現在リーグ戦2連勝中。千葉・金沢とのアウェイでの連戦をいずれも1点差で制しており、今節のホームで勝利すれば更に勢いを増すことが期待される。一方の横浜も好調を維持しており、こちらはリーグ戦4連勝中。特に直近の5試合での得点は「15」。そのうち6ゴールを稼ぎ出しているイバの得点力は相手にとって間違いなく脅威だ。消化試合数は横浜が1試合少ないものの、東京Vは勝利すれば勝点で並ぶことができる大一番。勢いを維持するのはどちらか。
均衡が破れたのは、キックオフから5分も経たない早い時間のことだった。東京Vは自陣深くから井林がロングフィード。DFラインの裏に出たボールに対し、左SBの奈良輪が猛然とボールを追うと、これに対応した北爪が戻りながらクリアを試みる。しかし、北爪のクリアがミスキックとなり、これがGK・南の頭上を抜くループシュートのような形となってしまい、自陣ゴールに突き刺さってオウンゴール。思わぬ形で東京Vが先制に成功する。東京Vは守備時は内田がアンカーの4-1-4-1で対応するが、攻撃時は梶川が内田とボランチを形成し、李栄直がドウグラスと並ぶ4-4-2に近い形へ変化。更に左SHの佐藤が中に絞ってサイドを空け、そこを奈良輪が縦に抜ける形を作ったことで先制点の形が生まれた。その後も左サイドを中心に攻め立てる東京Vに対して劣勢に立たされる横浜だが、こちらも左サイドの武田の攻め上がりからクロスを入れゴールを窺う展開。しかしイバやレアンドロがなかなかフリーにさせてもらえない。セカンドボールもなかなか拾うことができず、攻撃が散発のまま前半終了となる。
後半、横浜は前節の出場停止が明けてベンチ入りとなった裵乗振をDFラインに投入。3バックから4バックにシステムを変更し、東京Vの戦い方にほど近い4-1-4-1へ変更する。サイドに攻撃の起点が出来始めたことでシュートに繋がる場面が増え、立ち上がりにイバとレアンドロがミドルシュートを狙う場面を作ったかと思えば、56分には左SHにポジションを移した野村のシュートが僅かに枠の右へ逸れるチャンス。良い流れが続くものの、得点が少し遠い。一時守勢に回った東京Vは、59分に突破力が持ち味の泉澤を左サイドへ投入。これが結果に結びついたのは70分だった。田村のアクシデントによる交代で前半途中から左SBに投入されていた香川が縦に仕掛けてサイド深くまで侵入すると、戻したボールを受けた泉澤が右足を一閃。これがゴール右隅に突き刺さり2-0。途中出場の2人が絡んでの見事なゴールで、ホームチームがリードを広げる。後の無くなった横浜は、ここからシンプルなクロスを増やして攻勢。81分には右サイドからの齋藤のクロスを中央のイバがマークに付かれながらもヘディングでゴール左隅にねじ込み、3試合連続となるイバの得点で1点差に詰め寄る。しかしその後の横浜の攻勢は東京Vが集中した守備で逃げ切り試合終了。要注意のイバに1点を許しながらも、それ以外は徹底したマークでほとんど仕事をさせず、攻守に柔軟なシステムで大一番を制した東京Vがリーグ戦3連勝。横浜に勝点「55」で並び、4位に浮上した。