2018.09.02 - 明治安田生命 J1リーグ 第25節
FC東京 × サガン鳥栖
( 味の素スタジアム,19:00 )
前節、リーグ戦の連敗を「3」でストップしたものの、無得点のスコアレスドローに終わって4試合勝利無しとなった3位・東京。土曜日に行われた他カードで4位・札幌が勝利したため、勝点「41」に並ばれる格好となった。まさに踏ん張りどころとなる今節は、ホームで16位・鳥栖との対戦。J1残留争いの渦中にある鳥栖は、夏の中断期間で大型補強を敢行。特に元スペイン代表のトーレスを筆頭に、金崎・豊田を補強した前線の分厚さは脅威。前節はホームで残留争いのライバルでもあるG大阪を3-0で下しており、上り調子で試合に臨んでくることが予想されるだけに、全く油断のできない相手だ。東京は負傷で1ヶ月間離脱していた橋本が戦列に復帰。早速髙萩とのボランチコンビでスタメンとなり、好調時のメンバーがようやく揃った。
試合は互いに守備を意識した手堅い内容となった。前節からシステムをディエゴ・永井の2トップに戻した東京は、自陣をしっかりと固めてボールを奪ったら手早く前線へボールを運び、2トップの打開に賭ける形。対する鳥栖も、早い段階でカウンターを受けるリスクの少ないサイドへボールを展開し、縦に崩してチャンスを窺う。互いにチャンスが作れない中、数少ない見せ場を作ったのは東京。17分、右サイドを起点に室屋が中央へカットインし、相手の守備にかけられたこぼれ球を大森がシュートに持ち込むが、惜しくもクロスバーを直撃してゴールならず。鳥栖は最終ラインの4人と中盤底の高橋(秀)が素早くブロックをセットして数的不利な状況を作らないようケア。攻撃では1トップのトーレスにほとんどボールが入らないものの、アウェイでの試合運びとしては手堅さを感じるものだった。東京もディエゴがサイドに流れて組み立てに参加するなど、通常と異なる動きを加えながらチャンスを窺うが、スコアレスのままHTを迎える。
後半、鳥栖はトーレスと金崎を2トップで並べ、福田と小野を両サイドに置く4-4-2にシステムを変更。守備ブロック形成の早さを強く意識付けするだけでなく、トップの位置からトーレスが下がってきてポストプレイの形を増やすことでチャンスを狙う。やや攻撃のバリエーションが増えてきた鳥栖に対抗する形で東京もボールを運ぶスピードを速くなり、後半は序盤からややオープン気味の内容。しかし互いにこの時間帯を乗り切り、スピードアップした内容がトーンダウンすると、試合は前半以上に膠着した展開となる。東京は68分にリンスを投入。外から中へドリブルで攻め込む形を織り交ぜながらボールを運ぶものの、人数をかけて守備ブロックを固める鳥栖に対して数的有利な状況を作れず、遠目の位置からのシュートも防がれる。鳥栖もカウンターでゴールを狙うものの、フィニッシュへ持ち込む前の段階で東京の守備の網にかけられ、決定機を作り出すことができない。終盤は東京がパワープレイを仕掛けるものの、最後まで鳥栖の堅い守備は崩れずにタイムアップのホイッスル。結局、後半は得点に繋がりそうな場面が生まれないまま、0-0のスコアレスドローとなった。互いに守備重視の戦い方となり、消極的にも見える内容だったが、トーレスや金崎に最後まで仕事をさせなかった東京は2試合連続無失点。守備に関しては着実な積み上げを感じられる結果となった。