2018.08.11 - 明治安田生命 J2リーグ 第28節
モンテディオ山形 × 東京ヴェルディ
( NDソフトスタジアム山形,18:00 )
シーズン序盤こそ出遅れたものの、第13〜22節まで10試合負け無しの好調で立て直しに成功した山形。ただ、直近の5試合では獲得した勝点が「4」にとどまっており、現在は9位とやや停滞気味。今節ホームに迎える相手は4位・東京V。山形とは対照的に、直近5試合で勝点「13」を荒稼ぎしており、J1昇格争いに絡んでいる。山形にとっては再び昇格争いに絡むためにも重要な一戦となるが、木山監督はこのタイミングでスタメンを見直し。GK・児玉やFW・フェリペアウベスが久々のスタメン出場となった他、3バックも今期出場機会の少なかった西村や坂井が起用され、フレッシュな顔ぶれで臨む。「山の日」に行われる今節は、県民応援デーということもあり13,609人の大観衆。満席となったホーム側ゴール裏やバックスタンドのコレオグラフィーが映える素晴らしい雰囲気の中での試合となった。
前半は両チームががっぷり四つに組み合うような展開。山形は両WBが高めのポジション取りで東京Vにプレスをかけ、ボールを奪えば数的有利の状態で攻め込むことができる攻撃的なシステム。東京Vはインサイドの梶川がボール回しの起点となり、両サイドへの展開やシンプルな縦パスを織り交ぜながらチャンスを窺う。だが、山形は中央を固めた東京Vの守備を前に左右の揺さぶりがなかなか効かず、東京Vも球際に厳しく寄せられ、精度の高いクロスやシュートを放つことができない。膠着気味だった39分に試合が動く。ゴールほぼ正面で山形が直接FKを獲得すると、三鬼のキックにファーサイドでフリーだったフェリペが頭で合わせ、ゴール右隅に決まって1-0。リーグ戦で実に12試合ぶりのスタメンだったフェリペのゴールにより、山形が手詰まり気味だった状況をセットプレイで打開する。一方の東京Vは28分に渡辺、43分にドウグラスがそれぞれ中央のシンプルな縦パスに抜け出してフィニッシュに持ち込む場面があったが、いずれの決定機も決めきれずに前半終了。山形のリードでHTに入る。
スコアが更に動いたのは後半立ち上がりの47分。山形が左CKを獲得すると、三鬼がニアに蹴ったキックをストーン役の藤本が頭に当てるが、これが後ろに逸らすフリックの形となり、ファーサイドでフリーだったフェリペが押し込んで2-0。山形が良い時間帯のセットプレイ2発でリードを広げる。時間を多く残す状況ながらリードを広げられてしまった東京Vは、すぐさま選手交代。G大阪から補強した泉澤を左SH、佐藤をボランチにそれぞれ投入する2枚替えを行い、システムを4-4-2に変更する。中でドウグラスとアランの2トップが待ち構える形となり、サイドに入れた泉澤が躍動する流れを掴んだ東京Vは、56分に左CKから中央のスクランブルを生み、山形のクリアミスから泉澤が押し込んで2-1と1点差に詰め寄る。その後も東京Vがサイドから押し込む場面が続き、68分には左サイドの奈良輪のクロスを中央のドウグラスが完璧なタイミングで頭で合わせるが、このシュートをGK・児玉が片手で弾き出すスーパーセーブ。16試合ぶりのスタメン出場となった守護神の活躍でピンチを凌ぐと、山形もようやく混乱に落ち着きが見られるようになった。終盤の山形は1トップのフェリペに代えて、新加入のブルーノロペスを起用し、長いボール主体のカウンターで対抗。東京Vのクロス攻勢を耐え抜き、1点差をしぶとく守り切ることに成功した。出場機会が少なかった選手の各所での起用が見事に的中した山形は、順位変動こそ無かったものの、地元の大観衆の前で収穫の勝点「3」を獲得。東京Vは的確なシステム変更で山形を追い詰めたが、猛攻実らず6試合ぶりの敗戦となった。