2018.08.05 - 明治安田生命 J1リーグ 第20節
FC東京 × ヴィッセル神戸
( 味の素スタジアム,19:00 )




 平日開催となった前節、鹿島とのアウェイ戦を2-1で制して2位をキープすることに成功した東京は、ホームでの神戸戦。中3日というタイトな日程となるが、狙うのはやはり連勝だ。前節からの変更は左SBの太田と右SHの大森。消耗の激しいポジションをターンオーバーしながらパフォーマンスを維持できるかが大切になる。対する神戸は今夏のJリーグ移籍市場でスペイン代表のイニエスタを補強し、世界中を驚かせたものの、この1週間はイニエスタが家族の転居に係る手続きのためチーム離脱中。ポドルスキも負傷で欠く中ではあるが、増山・郷家など若手が急成長を見せており、難しい相手であることに変わりは無い。味スタのチケットは「イニエスタ効果」で完売。イニエスタ欠場ながら、観客は44,801人の大入りとなった。
 前半は拮抗した展開となった。神戸は第12節のノエスタでの対戦時に機能した大槻をサイドに配置するシステムで、東京のサイド攻撃を封じつつ速攻を繰り出そうとする狙い。対する東京は、ここ数試合でチームにフィットしてきた富樫が中盤に下りてきて味方をサポートしつつ、攻撃を組み立てる。立ち上がりの攻防が落ち着いてからは神戸がボールを多く支配するものの、30分を過ぎると再び東京が押す展開となる。中央からサイドへ開くボールが増え、太田と室屋の両SBが高い位置でクロスやシュートを狙う場面が増加。43分にはここ数試合で見られなかった大森の意表を突くミドルシュートを放つなど、東京が様々な手段でゴールに迫りつつも、前半は両チーム共に集中した守備で決定機を与えず、0-0のまま前半を終える。
 スタートからのシステムがなかなか機能しなかった神戸は、後半の頭から早速交代カードを2枚切る。渡邉をウェリントンとの2トップで組ませ、J2・岐阜から緊急補強した古橋を左サイドに投入。この交代により、後半立ち上がりは神戸がチャンスを量産する。50分、東京の守備をブロック内に押し込み、PA外から三田が強烈な左足のミドルシュートを放つが、これは林が見事な反応でキャッチ。58分には古橋が左サイドをドリブルで突破し、カットインから中央の渡邉を経由してウェリントンがフィニッシュに持ち込むものの、シュートは危うく枠の左に逸れる。65分には再び古橋が左サイドからドリブルで中央へ持ち込み、鋭い動きでマークを剥がしてミドルシュートを放つが、枠内を捉えたフィニッシュは林が片手で弾き出すスーパーセーブ。東京はややオープンな攻防の中で攻撃を完結させられず、不用意なボールロストから再三に渡りピンチを招くが、最後の砦が持ちこたえたことが大きかった。残り15分を切ると、後半の早い時間から投入していた東とリンスが徐々に存在感を増し、セットプレイも含めて東京が一方的に攻める展開。そして迎えた90分、東京は自陣でボールを奪って速攻を繰り出し、ディエゴがドリブルで中央を突進。そのままフィニッシュにも持ち込める状況ながら、PA内右でフリーのリンスにラストパスを出すと、リンスが強烈なシュートをニアに突き刺し、土壇場で東京が1点を先制。満員のホーム側スタンドは興奮の坩堝と化した。これがそのまま決勝点となり、1-0で試合終了。カウンターを受けるリスクを抱えながらも、適確な交代で攻撃の舵を切り続けた東京が最後に神戸を押し切り、リーグ2連勝。首位・広島が後半ATの失点で引き分けに終わったため、勝点差を「7」から「5」に縮めた。

FC東京10前半00ヴィッセル神戸
1後半0
リンス90'得点

GK33林 彰洋GK18金 承奎
DF 2室屋 成 DF 24三原 雅俊
48張 賢秀 25大﨑 玲央
3森重 真人 3渡部 博文
6太田 宏介 30ティーラトン
MF 39大森 晃太郎 MF 7三田 啓貴
7米本 拓司 14藤田 直之
8髙萩 洋次郎 20増山 朝陽
27田邉 草民 27郷家 友太
FW 9ディエゴ オリヴェイラ 33大槻 周平
17富樫 敬真 FW 17ウェリントン
GK 1大久保 択生GK 1前川 黛也
FP 5丹羽 大輝 FP 2那須 大亮
11永井 謙佑 16古橋 亨梧
13リンス 19渡邉 千真
25小川 諒也 21田中 順也
29岡崎 慎 22橋本 和
38東 慶悟 23松下 佳貴
監督長谷川 健太監督吉田 孝行
交代HT大槻 周平
渡邉 千真
増山 朝陽
古橋 亨梧
田邉 草民51'交代
東 慶悟
富樫 敬真60'交代
リンス
交代75'藤田 直之
松下 佳貴
米本 拓司78'交代
永井 謙佑
リンス90'得点
主審 − 廣瀬 格観衆 − 44,801人
BACK