2018.08.01 - 明治安田生命 J1リーグ 第19節
鹿島アントラーズ × FC東京
( 県立カシマサッカースタジアム,19:00 )
前節から中3〜4日の平日開催で行われるJ1・第19節。今週末の第20節にかけて3連戦となるため、メンバー起用も含めたチームごとの戦略が問われる。現在、暫定2位につけている東京は、前節の長崎戦(H)で相手を崩しきれずに0-1の敗戦。相手の鹿島より1日多い中4日での試合となるが、どこまで立て直すことができたか。今節は負傷離脱していた林と韓国代表から戻った張賢秀が中断期間明け以降初のスタメン復帰。橋本を負傷で欠く中、米本・小川・富樫を起用し、前節から顔ぶれを大きく変更した。鹿島は金崎が鳥栖に移籍したため、前線がやや手薄な状況。また植田が海外移籍、昌子が負傷のため戦列を離れており、犬飼・町田というフレッシュなDFライン。
先制したのは鹿島だった。13分、中央でボールを溜めてから左サイドでフリーの安西に展開すると、安西は切り返して右足でクロスと見せかけながら意表を突くシュート。クロスを警戒してゴールマウスから距離を置いていた林が思い切り手を伸ばすが、届かずファーサイドのゴールネットに突き刺さり、1-0で鹿島がリードを奪う。2試合連続で先制を許し、難しい状況になった東京だが、チャンスはほどなくして訪れる。19分、中央下がり目の位置でボールキープしたディエゴが右サイドの室屋にボールを展開すると、室屋はグラウンダーのクロスを選択。密集の隙間を通り抜けてきたボールを中央の富樫がダイレクトで合わせ、これが決まって1-1の同点。富樫にとっては、待望の移籍加入後リーグ戦初得点となる。ここから攻勢を強める東京は、25分にゴール正面の直接FKを東が狙うが、ゴール右ポストを叩いて惜しくも入らず。その後もディエゴと富樫の2トップが抜群のキープ力を見せて攻撃を牽引。鹿島は中盤でレオシルバが髙萩を「監視」し、危険なエリアで仕事をさせない中、ディエゴもしくは富樫が下がり目で組み立てに関与するなど、東京がうまく仕事をカバーしながら試合を進めて前半終了。1-1の同点のままHTを迎える。
後半は立ち上がりこそ引き続き東京のペースとなるが、徐々に鹿島が流れを引き戻す展開。東京は後方に下げてゲームを落ち着かせようとする場面が散見されるものの、不用意なボールロストや、こぼれ球に対する不用意なチャレンジで相手にボールを渡してしまい、警告も増える良くない時間が続く。それでも引き続きディエゴと富樫の2トップが身体を張ってDFラインと勝負を繰り返し、75分に2トップを永井・リンスのユニットへスイッチ。鹿島の守備陣に少しずつ疲れも見えてきた中、この交代はすぐさま威力を発揮する。77分、中盤での浮き球の競り合いをリンスが永井へ繋ぐと、ボールにアプローチした犬飼がクリアをし損ない、永井がフリーに。すかさず永井が中央へラストパスを送り、最後は完全にフリーのリンスがGKとの1vs1を流し込んで1-2。東京が遂に逆転に成功する。79分には再び高い位置でリンスがボールを奪い、パスを受けた東が中央でフリーの永井にラストパスを送るものの、永井のシュートは大きく枠の上。鹿島にトドメを刺すことができない。この逸機に乗じ鹿島が攻勢を強めるが、83分の右CKからの金森のボレーシュートは林の正面。AT3分にはゴール前の中途半端なクリアを拾った永木がシュートを放つが、これも林が神がかり的な片手セーブで逃れ、最後までゴールマウスを死守。このまま東京が逃げ切り、クラブ史上初めてリーグ戦で鹿島相手にシーズンダブル(2戦2勝)を達成。首位・広島も勝利したため勝点差は詰められなかったものの、選手起用がずばり的中し、前節の敗戦から立ち直る大きな1勝。一方の鹿島は先制しながらすぐに追いつかれ、最後はミスから逆転を許し、中断期間以降最初の敗戦となった。