2018.07.27 - 明治安田生命 J1リーグ 第18節
FC東京 × V・ファーレン長崎
( 味の素スタジアム,19:00 )
今季からの「フライデーナイトJリーグ」の取り組みにより、今節唯一の金曜開催となった東京のホームゲーム。チームによる積極的な集客が行われ、味スタは平日にも関わらず23,000人を超える客入りとなった。迎える相手は、現在15位とJ1残留ラインギリギリの位置につけている長崎。4月に行われたアウェイでの試合は5-2で東京が快勝している。東京は怪我から復調した永井がスタメンに戻り、髙萩はボランチでスタート。移籍加入した丹羽も最終ラインに名を連ねた。長崎は中断期間に移籍加入したオランダ出身のバイスがスタメン。徳永は慣れ親しんだ味スタのピッチに初の「凱旋」となり、試合前にはホーム側スタンドから大きな歓声と拍手が贈られた。
コイントスにより長崎がホーム側とのコートチェンジを仕掛けて始まった試合は、その長崎のプランが的中する展開となった。東京は中断明けの試合で効いていた前線からの積極的なチェイスでボールを追うが、長崎はシンプルに前線を目がけたロングボール主体の展開で東京のプレスを無効化。15分、左サイドの鈴木が大きくサイドチェンジをすると、飯尾のクロスをファンマが頭でフィニッシュ。大久保が咄嗟の反応で防ぎ、東京は事なきを得るが、これを端緒に長崎のチャンスが続く。32分に黒木のフィードをPA内の飯尾が頭で折り返し、フリーの鈴木が詰めるが、シュートは惜しくも枠の左。直後の35分には再び長崎が波状攻撃を仕掛け、ゴール前の混戦のこぼれ球を最後は髙杉がミドルシュートで狙うが、大久保が横っ飛びで弾き出す。東京は27分に右サイドからの速攻で長崎の陣内に攻め込み、最後はPA内左で大森がフリーのチャンスを作るが、シュートコースを作る間にDFが帰陣して撃ちきれず。ディエゴと永井の2トップも、共に前へ行く意識が強いせいか、5バックで固める長崎の守備の前にスペースを与えてもらえずにフラストレーションが溜まる展開。失点こそ防いだものの攻めあぐねる展開のまま、前半を0-0で折り返す。
後半最初のチャンスは長崎。50分にファンマが強烈なミドルシュートを放つが、ゴール右上隅を捉えた難しいフィニッシュを大久保がキャッチで凌ぐ再三のファインセーブ。ここから東京が少しずつ流れを手繰り寄せる。HTで永井を下げて富樫を投入し、富樫が中盤の組み立てに参加する場面を増やしたことにより、60分前後から高い位置で東京がボールを握る場面が徐々に増えていく。またサイドを崩す場面も多くなり、68分には太田が左サイドから鋭いクロスをゴール前に供給するが、中に雪崩れ込んだ選手が合わせられず。72分には速攻からスルーパスでPA内に抜け出したディエゴがシュートを放つが、DFがブロック。何度も長崎のゴール近くまで攻め込むものの、バイスを中心とした長崎の執拗な守備にシュートをブロックされるもどかしい場面が続く。すると、押し込んだ時間帯で得点を決められなかった東京にやや攻め疲れの感があった77分、長崎はCKの流れから島田が左からゴール前へクロス。ファーサイドに流れていくボールを大久保が触れず、折り返されてスクランブル状態になると、こぼれ球を黒木が浮き球でゴール前に上げて鈴木が折り返し、フリーのファンマがヘディング。一度は東京がライン上で防ぐものの、こぼれ球を再びファンマが押し込み、試合終盤で長崎が貴重な先制点を挙げる。久々にリードを許す展開となった東京はすぐさまリンスを右サイドに投入して攻撃姿勢を明確にするが、長崎の人数をかけた守備と、ファウルを誘って時間を稼ぐ巧みな試合運びの前に決定機を作ることができず、0-1のまま試合終了のホイッスル。長崎はJ1残留争いの中で非常に大きな勝点「3」を獲得した。東京は前半のコートチェンジや、執拗なマークでメンタルを揺さぶる長崎の対応を前に攻撃が完全に沈黙。首位・広島を追う中では手痛い10試合ぶりの敗戦となった。