2018.07.15 - 東海社会人サッカーリーグ1部 第8節
藤枝市役所サッカー部 × FC刈谷
( 藤枝市民グラウンド,12:00 )
全14節で行われる東海社会人1部リーグは、全日程の半分を消化して今節からシーズン後半戦。藤枝市民グラウンドでは、現在東海2部降格圏の7位に位置する藤枝市役所サッカー部と、現在暫定首位のFC刈谷とのカードが組まれた。実質上のホームであり地元・藤枝での試合となる藤枝市役所は今季未だに1勝と苦戦中。スタンドの地元ファンに良い所を見せたい。一方の刈谷は、現在暫定で首位に立ってはいるものの、1試合消化の少ない2位・鈴鹿とは勝点「2」差。特に前節の鈴鹿との直接対決では、終盤の失点により1-2と今季初の敗戦を喫している。優位な状況の鈴鹿にプレッシャーを与えるためにも、今節の勝点「3」は至上命題だ。試合が行われる藤枝市民グラウンドは、気温が35℃を超える過酷なコンディション。前後半共に、20分過ぎに3分間のクーリングタイムを設定しての進行となった。
前半の立ち上がりは、ホームの藤枝市役所が積極的な守備から攻撃に繋げる展開。炎天下の中にも関わらず、中盤の高い位置から執拗にボールホルダーをチェック。15分には刈谷陣内で村松がボールを奪取し、クロスボールに鈴木(侃)がヘディングで合わせるが、刈谷GK・藤沢がゴールラインぎりぎりの所でクリアするなど、刈谷は藤枝市役所のシンプルな放り込みに対してイージーなミスが散見され、なかなか攻撃のリズムを掴めない。それでも0-0のまま時計が進み、大きな変化の無いままハーフタイムが迫ったAT4分、刈谷は相手のロングボールを使った攻撃を凌ぐと、DFラインが高くなっていた所に左SBの酒井が裏のスペースへロングパス。飛び出してきたGKよりも僅かに早く追いついた中野(裕)が先にボールに触れ、最後は無人のゴールに押し込んで刈谷が1点を先制。その直後に前半終了のホイッスル。藤枝市役所にとっては、手痛い時間帯での失点となる。
前半の終了間際に続き、刈谷に追加点が入ったのは後半開始直後の47分。右サイドで獲得したFKを中に入れるかと思いきや、HT明けから投入された菅原が待つ右サイドに流すサインプレイで再開。菅原の速いクロスに対し、藤枝市役所の白井がカットに入るが、クリアボールは自陣ゴールに突き刺さり、刈谷がリードを2点に広げる。ただでさえ厳しいコンディションの中、最も注意しなければならない時間帯で立て続けに失点してしまった藤枝市役所にとって、この2点差を跳ね返すのは非常に厳しいように思われた。だが、その後に続いた刈谷の追加点のチャンスを身体を張って凌ぎ、後半途中のクーリングタイムを挟むと、刈谷がDFラインの前にスペースを与えるようになってきたところを藤枝市役所が突く。77分、後半からFWで投入された和田が中央やや右寄りの位置でボールを持つと、PA外ながら強烈なミドルシュート。これがゴール左隅に突き刺さり、1点差に詰め寄る。更に81分、再びゴール正面から和田がミドルシュート。これはDFが身体に当てて防ぐが、こぼれ球を拾った村松がPA内で刈谷DFと縺れて倒れたところでPKの判定。これを高橋が決め、藤枝市役所が僅か5分間で同点に追いつくことに成功する。よもやの展開となってしまった刈谷は、2点リードの状況で組み立てにも参加する場面の多くなっていた中野(裕)のポストワークを生かしながら、高い位置に起点を作るサッカーを展開。すると、同点にされてから僅か3分後の85分、中盤からのスルーパスに右サイドの富田が抜け出し速いクロス。これをニアに飛び込んだ中野(裕)がDFと縺れながらもボールをゴールネットに押し込み、刈谷が2-3と再び勝ち越しに成功。これが決勝点となり、刈谷が執念で勝点「3」を獲得。暫定首位を維持し、優勝争いのライバルである鈴鹿にプレッシャーをかけた。一方の藤枝市役所は一時2点差を追いつく粘り腰を見せたが、最後は力負け。それでも地元ファンが占めるスタンドからは大きな拍手が起きていた。