2018.07.08 - 関東サッカーリーグ1部 前期 第9節
VONDS市原FC × TOKYO UNITED FC
( 袖ケ浦市総合運動場陸上競技場,14:00 )
昨季にリーグ優勝を果たしたVONDS市原がJFL昇格を逃し、更にJFLからブリオベッカ浦安と栃木ウーヴァの2チームが降格してきたことにより、例年にない群雄割拠の勢力図となっている今季の関東1部リーグ。前期・第8節を終えた時点で首位の栃木Uを勝点「1」差で追う市原がホームに東京ユナイテッドを迎えての一戦。VONDS市原は現在首位を快走する栃木Uが昨日に3-0で勝利しているだけに、追走する市原にとっては勝点「3」の獲得が至上命題ともいえる一戦だ。一方の東京Uは現在6位。上位からは水をあけられたものの、前節の栃木U戦(A)では後半ATのゴールで2-2のドローに持ち込み、それまで全勝を続けていた栃木Uから今季初めて勝点を奪っている。
前半は僅差の展開ながら、市原がやや支配する内容。5-3-2で守備を構築する東京Uに対し、市原は相手の帰陣前の速い攻めでチャンスを作る。15分、相手CKを奪ってからのカウンターをレナチーニョが収め、ファウルで止められながらもクリックリスタートで二瓶に展開すると、PA内で仕掛けた二瓶がファウルを誘ってPKを獲得。これをレナチーニョが決め、市原が先制する。その4分後、今度は東京Uがポストプレイを使った攻撃から野村が右サイドからPA内に侵入。シュート性のクロスをDFが手に当ててしまい、PKの判定。これを能登が決めて東京Uがすぐさま1-1の同点に追いつく。前半のその後は、ファウルで相手を止める場面が多くなり、ゲームが直ぐに止まる内容。市原は接触プレイで負傷した高野と三原が相次いで交代を余儀なくされるものの、このアクシデントによる選手交代が、思わぬ「怪我の功名」となる。38分、市原は左サイドからのクロスをファーサイドの選手が頭で折り返し、最後は中央でフリーになった加賀美がヘディングを決めて2-1。三原の交代でレナチーニョが1列下がり、加賀美を最前線に据えた交代策が的中し、市原のリードでHTを迎える。
リードを許して後半に入った東京Uは、立ち上がりにすぐさま仕掛ける。サイドの深い位置まで攻め込み、シンプルにクロスを入れて混戦を作り出すと、そこから始まったセットプレイの流れでひたすらゴールに圧力をかける。48分、クロスボールのこぼれ球を野村がPA内右から再び中に入れると、これをクリアしようとしたGK・佐藤がキックミス。ボールは自陣ゴールに転がり込み、2-2の同点。ミス絡みとはいえ、ゴール前で人数をかけた東京Uの攻撃が早くも実る。更に54分にはクロスボールの混戦のこぼれ球を岩政が落とし、野村のクロスを中央でフリーの附木がヘディングで叩き込んで3-2と逆転。まるで2点目のコピーを見ているかのような、ゴール前をボールが横切る流れからの連続得点となった。暑さの影響もあって互いに疲れの色が見え始めた中、東京Uは逆転した直後から次々と選手を交代。フレッシュな選手を入れて攻撃をカウンター1本にしぼる。東京Uも追加点のチャンスを決めきれず、1点差のまま試合は終盤に縺れ込むが、守備では慌てずにしっかりとサイドを埋め、クロスボールに対しては徹底して跳ね返して対処。見事な「撤収」の巧さを見せ、最後までリードを守り切った。市原は77分に二瓶のクロスからのレナチーニョのヘディングがクロスバーを叩くなど惜しい場面は作ったものの、中を固めた相手の守備をこじ開けることができず。結局、2-3で東京Uが勝利。前節の栃木U戦に続き、強敵2チームとのアウェイでの連戦で共に勝点を奪うことに成功。順位も4位に浮上した。一方の市原にとっては、栃木Uに勝点を離される手痛い敗戦。リードして守りを固める相手に対する攻撃のアイデアの部分において課題を残す試合だった。