2018.07.01 - 北信越フットボールリーグ1部 1stステージ 第7節
アルティスタ浅間 × サウルコス福井
( 佐久総合運動公園陸上競技場,11:00 )
全14試合で行われる北信越リーグは、折り返し地点となる1stステージの最終節。佐久運動公園陸上競技場で行われるのは、ここまで共に6戦全勝のアルティスタ浅間とサウルコス福井の直接対決だ。順位上は得失点差で僅かに福井が上を行くが、当然のことながらホームの浅間が勝利すれば首位が交代する状況。優勝争いの行方を大きく左右する可能性のあるビッグマッチだ。福井は6月末にクラブの財政難が地元紙で報道され、チーム運営体制の変更が発表されるなど、ピッチ外が騒がしい状況だが、試合では勝利に集中したい。梅雨明けを迎えた東信地方は気温が上がり、30℃を超える猛暑の中での試合。消耗戦も予想される中、どのような展開となるか。
試合の立ち上がりは、後方で丁寧にパスを回しながら様子を見る浅間と、前からボールにアプローチする福井という構図。互いに慎重な入り方を見せ、ロースコアの試合展開となるように思われた。しかし23分、福井は山田の猛チェイスが相手DFのバックパスのミスを誘ってカウンター。浅間は何とかタッチラインに逃れるが、再開のスローインを福井がクロスに繋げ、最後は山城が押し込んで0-1。相手のミスに付け込んで福井がリードを奪う。更に27分、福井は自陣の小林が前線にロングフィードを送ると、これがDFの裏を取る形となり、山田がGKと1vs1に。一度はGKが弾くが、山田がこぼれ球を難しいループシュートで沈めて0-2。先制点から立て続けの追加点で、福井が大きく優位に立つ。前半とはいえ難しい状況に立たされた浅間だが、ここから巻き返し。35分、自陣で奪ったボールをセンターサークル付近で受けた室崎がドリブルで攻め込みカウンター。最後は室崎がやや遠い距離ながら左足でミドルシュートを沈め、1-2と詰め寄る。速攻を受けた福井はボールにアタックできず、守備の不安を見せた形。反撃の糸口を掴んだ浅間が勢いを得た状況で前半を終える。
迎えた後半、浅間が一気に試合の流れをひっくり返す。55分、自陣からのカウンターを再び室崎がドリブルで運び、ゴール正面で直接FKを獲得。キッカーの佐藤が右足で放ったブレ気味のキックがゴールに突き刺さり、2-2の同点。浅間の攻勢はなおも続き、67分、今度は中央から右サイドへ展開し、PA内に侵入してからの折り返しを福井DFが手で止めてしまい、PKの判定。これを喜屋武が冷静に決め、遂に浅間が2点差をひっくり返すことに成功する。中央での攻撃の起点に対してアタックできない展開を修正できないまま逆転を許してしまった福井は、前線の選手を投入して攻勢に出るものの、逃げ切りに入った浅間の守備を前に、決定機を作ることができないまま後半ATへ。このまま浅間の逃げ切りかと思われた終了間際のAT5分、左サイドからのロングスローのこぼれ球を木村がダイレクトでシュート。ゴールマウスを捉えた強烈なシュートはDFがブロックするものの、そのこぼれ球をすかさず福田が押し込み、3-3の同点。敗色濃厚で沈んでいた福井ベンチとビジター側スタンドが一斉に歓喜に湧いた。試合はその直後に終了。福井が意地の同点弾で浅間から勝点「2」を奪い取り、首位交代を阻止。チームを取り巻く環境に不安を抱える中、何とか試合では踏みとどまった。北信越1部の覇権争いの行方は、両者共に無敗をキープ。猛暑による消耗を感じさせない激しい点の取り合いに、スタンドからは選手たちに惜しみない拍手が贈られていた。