2018.06.24 - 明治安田生命 J2リーグ 第20節
横浜FC × ヴァンフォーレ甲府
( ニッパツ三ツ沢球技場,14:00 )
混戦模様のJ2上位争いの中、昇格プレーオフ圏内を眼前に見据える7位・横浜。今季は連勝こそ少ないものの、競った試合でしぶとく勝点を拾い続けており、19試合を終えて未だに敗戦の数は「4」。昇格争いに食らいつくためには得点を増やしたいところ。今節は武田の出場停止により、37歳の松井がインサイドで今季初のスタメン。対する甲府は第11節の千葉戦(H)後に吉田前監督が成績不振の責任をとって退任となったが、上野新監督の就任後にチーム状態がV字回復。5月のリーグ戦を無敗で乗り切り、ルヴァン杯でもベスト8に進出し、J2でも屈指の勢いあるチームといっても過言ではない。夏を感じさせる陽気の中で行われたデイゲームは、甲府のサポーターも多く駆け付ける非常に良い雰囲気の中でキックオフを迎えた。
前半は一進一退の攻防。横浜は2トップのイバとレアンドロが縦の関係を作り、中盤の底でコントロールの役目を担う佐藤を起点として前にボールを預け、全体を押し上げていく。守備時には5バックをセットして中盤からチェック。ベテランの松井もボールへのアタックを惜しまない。36分にはPA内に密集を作った状態で右サイドにボールを持ち出した北爪のクロスに松井が頭で合わせるが、シュートは惜しくもGKの正面。一方、甲府は2列目の小塚と堀米が様々な位置に顔を出してボールを引き出し、起点になろうとする働き。試合序盤はその次の手を打つことができず、苦しい時間が続いたものの、小塚がゴール前に顔を出してフィニッシュを狙う場面を作るようになると、横浜の守備が中央に引き寄せられるようになり、甲府はサイドの折り返しからチャンスを作る場面が増加。得点こそ生まれないものの、互角の状況から徐々に甲府が好感触を得た中で前半を終える。
しかし後半、試合は再び横浜が流れを引き戻す形で始まる。前半の終盤にかけて弱まりつつあった高い位置からのプレスをしっかりかけなおし、出所からピンチの芽を摘むようにすることで、甲府に傾きつつあった流れを寸断。攻めては開始早々の47分に右サイドのFKから北爪が良いヘディングを見せたかと思えば、57分には左サイドからのクロスに裵乗振がフリーでヘディングを放つものの、シュートは惜しくも枠の上。横浜が徐々に試合の主導権を引き寄せる。焦れた甲府が前に出てきた試合終盤、横浜は相手CKのこぼれ球を繋いでロングカウンターで攻め込み、レアンドロのシュートでCKを獲得。このCKのこぼれ球に、松井に代わって途中出場の齋藤がダイレクトで左足を振り抜くと、これがゴール左隅に突き刺さる見事なフィニッシュ。齋藤のプロ初ゴールにより、終盤で横浜がリードを奪うことに成功する。甲府は再び攻勢を強めるものの、横浜も両WBがサイドをしっかり埋めて危険なクロスを上げさせず、最後まで守り切ることに成功。1-0で横浜が逃げ切り、4試合ぶりの勝点「3」を獲得して昇格プレーオフ圏内の6位に浮上した。甲府は後半に横浜が見せた見事な修正の前に得点を奪えず敗戦となったが、攻撃でトライする姿勢は失わず。アウェイ側ゴール裏のサポーターからは拍手も起きていた。