2018.06.03 - 東京都社会人サッカーリーグ2部 1ブロック
スペリオ城北 × 東京ベイFC
( 赤羽スポーツの森公園競技場,19:00 )
3ブロックに分かれて14チームによる1回総当たりで戦う東京都2部リーグ。1部への各ブロックの昇格枠「1」を賭けて、非常に熾烈な争いが繰り広げられる。その中の1ブロックでは、現在3試合を消化しているスペリオ城北が、全勝の勝点「9」で暫定首位。2016年シーズン以来の1部復帰を目指して好調なシーズン立ち上がり。本日は、これまでに予定されていた試合の中止が相次ぎ、今週末がようやくシーズン初戦となる東京ベイFCとの対戦となった。東京ベイもかつて都1部の舞台を経験しているが、2011年シーズンに降格して以来1部の舞台から遠ざかっている。通称「赤スポ」では両サポーターがチャントでスタンドを盛り上げ、「8部リーグ」らしからぬ良い雰囲気。昼間は30℃近くまで上がった気温も、夕暮れと共に吹き始めた風の影響もあって涼しくなり、プレイしやすいコンディションとなった。
前半に最初の決定機を作ったのは城北。12分、ボランチの西松がドリブルで中央を持ち上がり、味方とのワンツーでDFラインを崩すものの、シュートは枠の左に逸れる。短い距離のパスを繋ぎながら相手の隙を狙う城北にとってこの形は理想的といえるものだったが、前半の城北のチャンスは実質上この1度きり。実際に前半のピッチを支配していたのは東京ベイだった。中盤で城北が球を離した瞬間にパスの受け手に対して厳しく寄せる守備を見せ、そこから前線の3枚の攻撃的選手がポジションを頻繁に入れ替えながら速攻を狙う形でじわじわと自分たちの流れに引き込んでいく。40分には中盤のパスカットから中津がドリブルで左サイドから中央へ持ち込み、逆サイドからPAに入る動きを見せた奥埜へラストパス。これは「決めるだけ」という絶好機だったが、シュートは枠の左に外れてしまい、東京ベイも決め手を欠いたまま前半終了。スコアレスで後半に折り返す。
後半に入ると、比較的早い時間帯から城北が積極的に交代カードを切って流れを掴みにいく展開。前半こそ球際にアプローチされて対応に苦しんだ面があったが、東京ベイの出足がやや鈍くなってきたところでサイドを使う場面が増え、前半にはあまり見られなかった、サイドの深くまで攻め込むシーンが少しずつ増えていく。東京ベイにとっては耐えどころの時間帯となったが、3バックを中心とする守備がリスク管理を徹底。自陣で待ち受ける守備を敷き、数的不利な状況を作らせない。その後も城北が攻めたてる状況が続くものの、決定機をなかなか作れないまま試合は後半ATに突入。スコアレスドローかという空気が漂い始める中、東京ベイの攻撃を抑えたGK・池田が長いキックで前線に蹴り込むと、ボールはDFラインの後ろへ。これにすかさず途中出場の郡が反応。咄嗟にゴールを空けて飛び出してきたGK・太田がDFとお見合いするような形となり、DFが慌ててクリアしようとしたこぼれ球を郡が奪うと、フィニッシュのボールは無人のゴールに転々と吸い込まれていった。土壇場で城北が1点を先制し、再開直後にタイムアップのホイッスル。劇的な勝利を飾った城北は、開幕4連勝で暫定首位をキープ。東京ベイはスコアレスドローも見据えた堅実な戦い方ができていたが、勝点「1」がほぼ手中にあった最後の最後にミスが出てしまい、黒星のシーズンスタートとなった。