2018.05.20 - 明治安田生命 J1リーグ 第15節
サガン鳥栖 × FC東京
( ベストアメニティスタジアム,15:00 )
3月末から週2日ペースで続いてきた怒涛の「15連戦」は、今週末が最後の試合。J1リーグは今節を最後にロシアW杯開催に伴う2ヵ月近くの中断期間へ入る。各チームにとっては、連戦の最後を良い形で締め括りたいところだ。現在17位とJ2降格圏に沈む鳥栖は、開幕戦から13試合連続失点という「らしからぬ」試合が続いていたものの、前節の浦和戦(A)では0-0で初めての無失点試合を記録。長らく負傷で離脱していたイバルボが戦列に復帰するなど、好材料がある。対する東京は前節の札幌戦(H)で0-0と勝ちきれなかったものの、3試合連続無失点中と守備は高いパフォーマンスを維持している。
試合最初のチャンスは鳥栖。11分、原川の左CKから競り合いのこぼれ球を小野がプッシュ。ゴール至近距離のシュートだったが、林が弾き出して東京が事なきを得る。序盤の東京はボールを保持して良い形を作る場面もあったが、キープ力の高いイバルボにボールを収める鳥栖の速攻にも苦しめられ、なかなか流れを掴めない。互いに決定打となる攻撃を繰り出せない中、30分過ぎにはイバルボと丸山のマッチアップから両チームの小競り合いに発展するなど、試合内容とは別の方向にヒートアップする場面も。前半は東京がボールを支配してゲームを進めるものの、好調のディエゴ・永井に対しては厳しいマークが付き、なかなかフリーでプレイをさせてもらえず。結局、両チーム共に決め手を欠いた内容のまま0-0で前半を終える。
後半に良い流れを呼び込んだのは、大森と東のポジションを入れ替えて臨んだ東京。最初のチャンスは52分、右サイドから短いパスを繋いで中央へ攻め込み、ニアに流れてマークを引き寄せた永井のヒールパスを受けた室屋がGKと1vs1の場面を作るが、至近距離からのシュートは権田がストップ。この2分後には右サイドからPA近くまで攻め込んだディエゴが逆サイドの大森にラストパスを送るものの、大森のフィニッシュはまたしても権田が止めて先制を許さない。守勢の続く鳥栖は66分に高橋(秀)を下げて高橋(祐)を投入。システムを5-3-2に変更して自陣を更に固める。東京は前田と田邉を投入して攻撃にアクセントを加え、その後も一方的に攻勢。75分、髙萩の浮き球のラストパスに田邉が合わせたヘディングシュートはループ気味の絶妙なコースを突くが、これも権田が弾き出してピンチ脱出。82分には太田の左CKをディエゴが合わせるが、シュートはゴール右ポストを直撃。目の前まで来ている1点が遠い。後半ATには田邉のスルーパスに前田が抜け出してGKと1vs1になるが、この決定機も権田がストップ。一方的に攻め込まれた鳥栖だが、ゴールマウスに飛んでくるシュートを権田がパーフェクトに防ぎ、試合終了のホイッスル。古巣相手に面目躍如の大活躍を見せた権田に対し、試合後の東京ゴール裏からは惜しみない拍手が贈られた。鳥栖は17位という立場に変わりはないが、大きな勝点「1」を獲得。東京は後半にハーフコートゲームに持ち込みながらゴールを割ることができず、悔やまれるスコアレスドロー。4試合連続無失点と守備面で結果を残したものの、どちらかといえば「勝点を失った」内容でリーグ戦中断期間に入ることとなった。