2018.05.13 - 明治安田生命 J1リーグ 第14節
FC東京 × 北海道コンサドーレ札幌
( 味の素スタジアム,16:00 )
4月から続いた過密日程は終盤戦。リーグ戦は久しぶりに1週間の間隔を置き、残り2試合でW杯前の中断期間に入るだけに、ここが最後の踏ん張りどころだ。前節、アウェイで川崎を2-0で下し、5試合負け無しで2位の座をキープした東京は、ホームに戻って3位・札幌との大一番。今季からペトロヴィッチ新監督を招聘した札幌は現在リーグ戦で10試合負け無しという快進撃を続けており、相手として非常に厄介である。東京にとっての好材料は、4/21の清水戦(A)で負傷離脱していた張賢秀が復帰したこと。昼間から降り出した雨が少しずつ強まる中で集中した守備を見せられるかが注目だ。
試合は前後半を通じて一進一退の攻防が続く展開となった。前半の立ち上がり、東京はさっそく札幌の陣内へ攻め込み、ゴール目前まで押し込む場面を作るものの、この時間帯を札幌が凌ぐと徐々に押し返す流れ。第6節以来、ほぼ1ヵ月ぶりの出場となったジェイと、ここ数試合で絶好調の都倉を目がけた長いボールで高い位置に収めどころを作り、札幌のペースにじわじわと引き込んでいく。決定的なシュートこそ撃たせないものの、自陣でジェイ・都倉との「肉弾戦」を余儀なくされ、更に両サイドを広く使った攻撃に手を焼く東京だが、負傷明けの張賢秀を中心に、守備が堅実に対応してゴールを割らせず。前半の終わり頃には再び東京が攻撃のリズムを取り戻し、スコアレスながら悪くない雰囲気でハーフタイムを迎える。
この試合最大のチャンスが訪れたのは53分だった。東京は中盤からカウンターを仕掛け、中央の永井がスペースのある右サイドへボールを落とすと、これを拾った室屋が追いすがるDFを引きちぎり、ドリブルで中央を突破。GKと1vs1の状況まで持ち込むものの、シュートは具聖潤が身体を張って止め、先制の絶好機を逃してしまう。いきなり縦の上下動が多い攻防が続いたこともあってか、後半は早い時間帯からスペースが多く存在し、ゲームスピードが上がった中での攻防となった。札幌はチャナティップが低い位置まで下りてきて味方からボールを引き出し、得意のドリブルで東京の守備を崩しにかかるものの、東京も冷静にブロックを作って対応し、カウンターを中心に反撃を仕掛けることで札幌に傾きかけた流れを寸断した。両チーム共に終盤まで交代カードを切らない膠着した展開の中、札幌は79分に早坂と石川を投入。バランスを考慮した感のある2枚替えを境に、東京もバランスを重視した交代カードを切り、時間を消化。終盤は東京が押し込む場面が見られたものの、札幌の守備も堅く、0-0のスコアレスドローで試合終了となった。雨で踏ん張りの効かないピッチ条件の中、東京は永井の快足を積極的に使えないなど、攻撃で選択肢が限定されていたが、守備が最後まで崩れず、3試合連続のクリーンシートで勝点「1」を確保。札幌にとっても東京との勝点差を離されず3位をキープすることに成功し、互いにとって悪くない結果となった。