2018.05.03 - 明治安田生命 J2リーグ 第12節
徳島ヴォルティス × 愛媛FC
( 鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム,14:00 )
大型連休のため、前節から中3日での開催となるJ2。徳島ヴォルティスと愛媛FCによる今季1度目の「四国ダービー」は、両者共に苦しい状況下での顔合わせとなった。ホームの徳島は、J1昇格を見据えてロドリゲス監督2年目のシーズン。開幕直後こそ順調な滑り出しを見せたが、第5節・甲府戦(A)の勝利を最後に、6試合勝利無し。4月は遂に1勝も出来ないまま、順位も17位にまで後退している。対する愛媛も間瀬監督2年目のシーズンであるが、開幕から4連敗を喫するなど厳しい戦い。前節の松本戦(H)では、1点リードの後半ATに追いつかれてドローに終わり、遂に最下位に転落。どちらのチームにとっても、巻き返しを図る上で非常に重要なダービーマッチとなった。
試合は前半から徳島が支配する展開。立ち上がりから右サイドを中心に攻撃を展開し、アタッキングサードまでは攻め入ることができるものの、そこから先は手数が掛かってしまい、なかなかシュートに持ち込めない。それでも21分、徳島はそこまで多用しなかった左サイドへ大きくチェンジすると、杉本が右足で入れた低い弾道のクロスに中央の前川がダイビングヘッドで合わせ、1点を先制。徳島にとっては実に4試合ぶりとなる得点でリードを奪うことに成功する。今季これまでの勝利が全て「1-0」である愛媛にとっては、手痛い失点。28分には左CKの流れからゴール前の混戦で愛媛が押し込むチャンスを得るものの、徳島もライン上のクリアで何とか跳ね返し、その後は明確なチャンスを作らせず。愛媛にとってはカウンターを仕掛けようにも前線に収めどころが無い難しい状況で前半を終える。
後半に入っても主導権は依然として徳島。リードをしていることでゲームスピードを上げる必要が無くなったホームチームは、中盤で丁寧にパスを繋ぎながら相手の守備に隙が生じるのを待つ。その一方でベンチワークは積極的。後半の立ち上がりから山﨑・狩野と、攻撃的な選手を次々と投入し、70分には交代カードを全て使い切る。すると直後の71分、徳島は左に開いたシシーニョのクロスからPA内の狩野がシュートに持ち込み、こぼれ球の競り合いからGK・岡本が狩野を倒してPKの判定。これを狩野が冷静に決め、2-0と点差を広げる。攻めるしかない愛媛は、76分に玉林・近藤の2枚替えを行い、直後にはロングボールからサイドを崩す場面も作ったが、その後の攻撃はそれまでと同じ単調なパスを繋ぐ形に終始し、勢いは尻すぼみに。結局、試合を上手くコントロールした徳島が2-0で余裕の逃げ切りを果たし、7試合ぶりの勝利となった。一方の愛媛は、注目度の高いダービーマッチにも関わらず、見せ場の少ない低調な内容で完敗。愛媛ゴール裏はブーイングではなく、「沈黙」で選手たちを迎えていた。