2018.05.02 - 明治安田生命 J1リーグ 第12節
ヴィッセル神戸 × FC東京
( ノエビアスタジアム神戸,19:00 )
大型連休の合間に平日ナイトゲームで行われるJ1・第12節。現在8位の神戸は、中3日でホームでの連戦。前節の川崎戦(H)では、終盤までタイスコアで耐えながら勝ち越しを許し、4試合ぶりの敗戦。またDFの鄭又榮が退場となり、今節は大ベテランの北本が最終ラインにスタメン起用。一方、3連勝中と好調の2位・東京は、前節から左サイドのユニットを小川・東に戻してのスタート。神戸はここまでのリーグ戦11試合全てで得点を挙げており、東京が神戸の攻撃を抑えられるかがポイントとなる。昼間から降り続いた雨脚が徐々に強まる中、ノエスタは屋根を閉じた屋内モード。平日開催の影響か、約9,000人というやや空席が目立つ中でのキックオフとなった。
前半立ち上がりの時間帯は、神戸が多彩な手段を用いて東京ゴールに迫る展開。トップ下でフリーな動きをするポドルスキがサイドに展開し、クロスボールやカットインからゴールを狙うかと思えば、ポドルスキが単独でドリブルで侵入してシュートを放つなど、ゴールに対して貪欲な姿勢を見せる。最初は守勢に回りすぎた感の強かった東京だが、徐々に落ち着きを取り戻して反撃。17分にはスルーパスにフリーで抜け出した永井がシュートへ持ち込むが、金承奎がセーブしてゴールを割らせず。前半が30分を差し掛かる頃、神戸はポドルスキが足の不調を訴え、ウェリントンと交代。攻撃の牽引役だったポドルスキを失ったことで、東京にとってはチャンスかと思われた。しかし神戸はウェリントンと郷家の縦関係に近い2トップに変更。更に中盤での組み立て役を委ねられた三田・藤田の2ボランチがテンポ良くボールを捌き、再び流れを手繰り寄せる。高いキック精度を持つティーラトンのクロスに揺さぶられ、水際での対応が続いた東京だが、最終ラインがクリアして凌ぎ、スコアレスで前半を終了する。
後半に入っても、試合の流れは依然として神戸。ウェリントンの投入前は1トップ気味の働きをしていた大槻が右サイドにポジションを変え、高い位置から激しくボールにアプローチするため、東京は武器の1つである左サイドからの攻撃を作れない。2トップにも効果的なボールが入らない中、ベンチワークは早かった。56分、ディエゴに代えて前田を投入。前田が高い位置でパスを引き出して時間を作り、あわよくばファウルを誘ってセットプレイで得点を狙う形に絞る。69分には永井を下げて米本を投入し、守備を強化。得点への意欲よりも失点への警戒を強め、残り時間を消化していく。神戸は2017年シーズンの開幕戦で負傷し、1年以上に渡って離脱していたレアンドロを復帰のピッチに送り出すなど、攻撃を強化。82分にはゴール前の直接FKをサインプレイでリスタートし、北本がこぼれ球をプッシュするが、死角から出てきたボールを林がストップする好セーブを見せ、ゴールを許さず。結局、神戸の猛攻を最後まで東京が凌ぎ、0-0のスコアレスドローで試合終了。神戸はリーグ戦12試合目にして、初めて得点を挙げることができず。東京は交代に込められたメッセージを選手たちが着実に遂行し、注文どおりの勝点「1」を確保した。