2018.04.29 - 関東大学サッカーリーグ戦2部 第3節
慶應義塾大学 × 青山学院大学
( 相模原ギオンスタジアム,11:30 )
昨季の関東大学1部で最下位に沈み、2部降格を余儀なくされることとなった慶應義塾大学。「出直し」となる今季は、スタッフ陣も見直し。大学OBの冨田新監督が就任し、元日本代表の戸田和幸がコーチに就任するなど、話題性もある顔ぶれで1部復帰を目指す。今季は開幕から2試合を終えて2連敗という苦しい滑り出しとなっており、まずは1勝が欲しい。対するは、昨季2部で7位と中位に苦しみ、今季は1勝1敗のスタートとなっている青山学院大学。こちらも1部在籍経験のある実力校だけに、再浮上のシーズンとしたい。
試合はほぼ互角の立ち上がりから、少しずつ慶應が流れを引き寄せていく展開となった。慶應は自陣から組み立てる際には「各駅停車」のパスが多くなり、なかなかリズムを作り出せないものの、青山学院にボールが渡ると積極的なプレスが機能。特に青山学院が攻撃の最初となるパスを入れると、ボールを奪う動きとパスコースを切る動きが素早く連動し、そこから速攻に切り替える形が機能していた。先制点は10分。左サイドからのクロスは一度クリアされるものの、セカンドアタックとなる八田の浅い位置からのクロスに松木が抜け出し、難なく決めて先制点。その後は青山学院も個人のスキルで局面を打開する展開となり、30分に森の左サイド突破からのクロスを小泉がダイレクトボレーで叩き込んで1-1の同点とするが、その直後の31分、慶應は松木がドリブルで中央をこじ開けてPA内でのファウルを誘い、PKを獲得。これを松木自身が決め、すぐさま2-1と勝ち越しに成功。僅差のゲームながら、慶應が攻守に支配して前半を終える。
後半に入ると、青山学院がロングパスを織り交ぜた攻撃を増やすようになるが、時を同じくして強くなってきた風の影響もあり、両チーム共にボールがなかなか落ち着かず、精度が粗くなる展開。そんな中でも慶應はシンプルにフィニッシュに持ち込む形を増やし、不用意なボールロストを防止して時間を使っていく。時計が進み残りが15分を切ると、青山学院はサイド深くまで侵入してクロスを上げる形が多くなり、慶應は自陣で守る場面が増えるが、4年・鴻巣と、1年・篠原のCBコンビが鉄壁のセンターを築いて跳ね返し続け、決定機を作り出させない。そのまま迎えた後半AT、慶應は自陣からのクリアボールを途中出場の杉本が追うと、ゴールマウスを空けて飛び出してきたGKからボールを奪い、右サイドの狭い角度ながら無人のゴールにシュートを流し込んで3-1。土壇場でリードを広げ、試合を決めた。前半の守備で青山学院の組織を分断し、リードを保ったまま逃げ切ることに成功した慶應が、3試合目で今季リーグ戦初勝利を飾った。