2018.04.25 - 明治安田生命 J1リーグ 第10節
FC東京 × サンフレッチェ広島
( 味の素スタジアム,19:00 )
J1・第9節の終了時点で、8勝1分の勝点「25」という驚異的なハイペースで首位をひた走る広島。J1残留争いに苦しんだ昨季から一転、城福新監督が就任した今季は守備をベースにしたサッカーで手堅い試合を続けており、リーグ戦9試合で喫した失点の数は僅かに「2」。パトリックを中心とした攻撃陣がコンスタントに結果を出しているのもチームの好調の要因だといえる。その広島を勝点「16」で追うのが、前節の清水戦(A)の勝利で2位に浮上した東京。今節は、東京がホームに広島を迎えての上位直接対決となった。前節から中3日という厳しい日程であるが、東京は負傷の張賢秀に代わって丸山がスタメンとなった以外は前節と同じスタメン。対する広島は前節からスタメンを3人を入れ替えて試合に臨む。城福監督にとっては、2016年シーズンに成績不振で解任の憂き目に遭った古巣との対戦でもある。
試合はいきなり動く。3分、東京は自陣でのパス回しから森重が鋭い縦パスを髙萩に供給。髙萩が更に縦パスを入れると、PA内に走り込んでボールを受けたディエゴが佐々木に倒され、PKの判定。ディエゴが冷静に決め、1-0と幸先良く東京が先制する。出鼻を挫かれる形となった広島は焦らず自陣でボールを保持しようと試みるが、東京は前線から激しくボールを追う守備でプレッシャー。すると9分、広島の不用意なバックパスをディエゴが拾い、GKを充分に引きつけてからフリーの永井にパス。永井がこれを沈めて2-0とリードを広げ、ここまでの9試合で失点「2」だった広島から、たったの10分間で東京が2ゴールを奪うことに成功した。その後もなかなか試合を落ち着かせられない広島に対し、東京が再三攻め込む展開となるが、なかなかチャンスを生かせず。前半の終盤は広島も持ち直し、やや浮足立った展開となってしまったが、何とか無失点で後半に折り返す。
後半に入り、更なる追加点はまたしても東京。51分、広島の後方にスペースが十分に残されている状態から、髙萩の長い距離のスルーパスに抜け出したディエゴがゴールのファーサイドへ流し込む難しいシュートを沈め、3-0とリードをさらに広げる。逃げ切るには充分なリードを奪い、このままゲームスピードを落としたい東京だが、広島はすぐさま交代のカード。フェルペシウバを左サイドのアタッカーに据え、4-2-3-1にシステムを変更する。60分、広島は中盤のクリアボールを素早く前線のパトリックに供給。フリーでゴール前に持ち込んだパトリックのシュートのこぼれ球を稲垣が押し込み、3-1。広島が時間を残した状態で2点差に詰め寄り、反撃の狼煙をあげる。その後もフェリペシウバへの対応を中心に受け身の展開が続き、時計が進むにつれて東京ゴール前での攻防が増えていったが、再三のピンチも東京が身体を張った守備でゴールを死守。結局、広島に2点目のゴールを割らせることなく、試合終了のホイッスル。「先手必勝」の戦い方を見事に実現した東京が、広島との勝点差を「6」に縮める大きな勝利を手にした。一方の広島はリーグ戦10試合目で無敗がストップ。城福監督の古巣対決を勝利で飾ることはできなかった。